野放図な新規仮想通貨公開(ICO)によって引き起こされる危険性について投資家を教育し、警告を発するため、米証券取引委員会(SEC)が偽のICOウェブサイトを立ち上げた。
SECによると、この新しい偽ウェブサイト「HoweyCoins」は偽のICOを模したもので、「詐欺に投資してしまわないように注意すべきことについて、投資家を教育する」ために作られたという。
SECのウェブサイトには、投資家をそそのかしてお金をだまし取るのに使われる言葉やグラフィックスのあらゆる特徴が備わっている。例えば、大きなカウントダウンタイマーや、ほかの業界の大手企業との提携の約束、米政府当局に登録されているとの記述、最初の投資の高い収益率などだ。
「ICO市場の急速な成長、そして、ICOが新たな投資機会であると主張する広範な宣伝によって、悪人たちが一般の投資家をだます温床ができてしまった。われわれは新しいテクノロジを歓迎するが、その一方で、投資家に詐欺の実態を知ってもらいたいとも考えている。そこで、詐欺の典型的な危険信号を多数含むこの教育用サイトを構築した」(SECのJay Clayton委員長)
ホワイトペーパーでは、潜在的な詐欺の指標がさらに多く紹介されている。休暇期間中の値引きの約束、「予想される」HoweyCoinの将来価値に基づく30%~40%のコスト削減、これらのコスト削減の幅がICOイベント後には縮小する可能性があることを告げる穏やかな警告によって、潜在的な投資家を誘うものとなっている。
お金のかかるライフスタイルと贅沢品の画像、何らかの複雑な調査結果を示す「ホワイトペーパー」、将来的な利得に関する根拠のない約束。これらは、多くの詐欺的なICOで使用される要素だ。そして、HoweyCoinsはそれをうまく模倣している。
しかし、HoweyCoinsでは、「Buy Coins Now」(今すぐコインを購入する)リンクをクリックすると、投資家を教育するためのページに誘導され、SECのアドバイスが表示される。
多くの場合、ICOは話がうますぎるように思える将来の事業や投資収益率を約束する。投資を検討中の人々にとって、これらのイベントの多くは高額な仮想通貨を買わせるだけで、何の利益ももたらさない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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