YKK APは4月25日、未来のドア「UPDATE GATE」を発表した。液晶モニタを搭載し、ドアのデザインを変えられるほか、顔認証による解錠やAIを使ったスケジュールのお知らせ機能などを備える。
YKK APでは、2016年に「未来の窓」プロジェクトをスタート。今後、新築着工件数の減少が確実視される中、高付加価値化と需要創造の2つを掲げ、市場変化に対応していく取り組みの1つとしている。2016年に未来窓、2017年に未来窓の具現化フェーズのものを発表しており、玄関ドアによるプロトタイプを披露したのは今回が初めてだ。
外側、内側に4K解像度の液晶モニタを搭載し、玄関ドアのデザインを季節や気分によって変えられるほか、その日の天気やスケジュール、交通案内を表示する機能も装備。人感センサ、カメラ、マイクを備え、顔認証で解錠してドアが開閉するため、ドアノブや鍵穴のないフラットなデザインになっている。
顔認証により、家族1人ひとりを認識できることが特徴で、「お父さん、おかえりなさい」など、個人ごとに対応が異なるほか、その人に合わせたスケジュールを読み上げるなど「執事のような役割を果たす」(YKK AP 事業開発部部長の東克紀氏)ことをサブテーマに据えたという。
電車の遅延時には「迂回ルートをスマートフォンに送りましょうか」といった提案もでき、これらの情報や動作の制御には、NTTドコモのAIエージェントAPIを使用。来客時には、スマートフォンに静止画を送るなど、スマートフォンとの連携機能も備える。
YKK AP 執行役員副社長開発担当の菅間信太郎氏は「窓やドアは、家にとって重要なパーツだが、キッチンやバス、トイレといった設備系に比べると優先順位が下がってしまうのが現状。この部分をもっと意識してほしいと感じている。そのためには楽しみながら開けられる窓やドアに変えていく必要がある」と未来窓プロジェクトスタートの背景を話す。コンセプトモデルでは「考えられるものをすべて盛り込んだ形。今後は1つひとつの技術を精査していく」と商品化に向けたスケジュールを話した。
UPDATE GATEは、4月26日に東京都渋谷区にある「YKK AP ショールーム新宿」(東京都渋谷区代々木2-1-5 JR南新宿ビル8階)で一般展示、体験をスタート。ユーザーと触れ合う環境を整えることで、今後の商品化に役立てていくという。
2020年の商品化を予定しており、販売価格は130〜200万円程度を想定。現在の玄関ドアはハイエンドなもので80万円程度になるとしており高級仕様になるが、「機能を絞ることで低価格化はできる」(東氏)としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」