ディー・エヌ・エー(DeNA)は4月24日、ヤマト運輸と神奈川県藤沢市内の一部地域において展開している、次世代物流サービスの実現を目指すプロジェクト「ロボネコヤマト」の一環として、自動運転車両を用いた配送の実証実験を実施したと発表した。
ロボネコヤマトは、車内に保管ボックスを設置した専用EV車両を使用し、AIにより配送ルートを最適化することで、配達時間帯を10分刻みで指定できる物流サービス。同社と神奈川県、藤沢市、ヤマト運輸で締結した協定に基づき実施している。
現在、宅急便の荷物を望む時間帯や場所で受け取れるオンデマンド配送サービス「ロボネコデリバリー」と、地元商店の商品を事前にインターネット上で一括購入し、運んでもらえる買物代行サービス「ロボネコストア」の2つのサービスを、対象エリアに住む利用者に提供している。
これまでの実用実験では、専任のドライバーによって有人運転を行っていたが、ドライバーは荷物の発送・受け取りに関与せず、利用者自身が荷物を車両から取り出すサービス設計だった。
そして今回、車両の走行を実際に自動運転化した際の改善点の洗い出しを目的として、アイサンテクノロジーの協力のもと、同社の自動運転車両を用いた実証実験を実施。約6kmの藤沢市内公道においてドライバーが着座した状態での自動運転走行のほか、Fujisawa SST協議会の協力のもとで、封鎖した公道上をドライバーレスの自動運転で走行したという。
さらに、自動運転車両を用いた実証実験の一部において、日本信号の協力のもと、携帯電話網(LTE回線網)を用いて信号情報を自動運転車両へ送信する技術実証も実施した。信号制御機に日本信号の専用無線装置を取り付け、リアルタイムに信号の灯色や残り時間などの情報を自動運転車両へと送信。信号情報を受けた車両が、その自動運転システムによって「進む」か「停止」するのかを制御した。
同実証は、警察庁が定める「信号制御機に接続する無線装置の開発のための実験に関する申請要領」に基づいて2018年3月に申請し、携帯電話網を用いて実施した日本で初めての取り組みだという。
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