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登山者向けサービス「YAMAP」、14社から約12億円を調達--ICI石井スポーツと連携強化

山川晶之 (編集部)2018年04月13日 19時07分
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 登山・アウトドア向けサービス「YAMAP」を運営するヤマップは4月13日、総額約12億円の第三者割当増資を実施したと発表した。


 出資社は、ICI石井スポーツ、REVICキャピタル(九州広域復興支援ファンド)、FFGベンチャービジネスパートナーズ、山口キャピタル、アイ・マーキュリーキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、せとうちDMO(せとうち観光活性化ファンド)、日本アジアグループ、SRL、大分ベンチャーキャピタル、左銀キャピタル&コンサルティング、広島ベンチャーキャピタル、森永製菓、ゼロワンブースターの14社。ヤマップの本社は福岡で、地元に根ざしたスタートアップということもあり、地銀系などからの出資も多い。

 YAMAPは、電波の届かない山の中でもスマートフォンのGPSでユーザー自身の現在地を確認でき、道中のログを残すこともできる無料の登山アプリ。百名山から地方の里山にいたるまで地図をカバーしているほか、登山SNSとしての機能も持ち合わせている。会社のミッションとして、「登山をアップデート」を掲げ、登山にランニングやフィットネス、自然観光、ヘルスケア、食、教育、ライフスタイルなどを掛け合わせることで登山の敷居を下げ、インバウンド需要にも応えることで、登山人口の増加に貢献したいとしている。


「YAMAP」の特徴

 今回の資金調達では、出資額は非公表としているもののICI石井スポーツがもっとも額として大きいという。両社では連携を強化し、アプリ、ウェブ、フィールド、店舗とオンラインとオフラインを連動し、登山愛好家との網羅的なタッチポイントを構築。また、ICI石井スポーツが抱える約100万人の会員(アクティブユーザー数は35万人)とYAMAPのSNSをベースとした登山・アウトドアコミュニティを生み出すとしている。そのほか、EC基盤を共通化し、YAMAPのアプリ内で販売した商品を、ICI石井スポーツの流通基盤を活用して届けるほか、YAMAPが企画した商品をICI石井スポーツ側でも販売。共同でのイベント実施も検討するという。


ヤマップと石井スポーツの連携

アウトドア・登山のコミュニティ形成に力を入れていく

 ICI石井スポーツ代表取締役社長の荒川勉氏は、「お客様とのコミュニケーションはチラシやダイレクトメール。メールやLINE、アプリなどの手段は十分に活用できていない。また、山に行くと若い登山者、スキーヤーが多いものの、売上構成比では若い世代が多くない」と同社の問題点を説明。新部署の設立なども進んでいるものの、「デジタルマーケティングのスピード感は、専門家ではない我々だけでは到底ついていけない。ヤマップのテクノロジや若い感性と、石井スポーツの経験や歴史、お客様を融合することで、より多くの方々に山を楽しんでもらえる環境をスピード感を持って提供できる」とした。

 今回の資金調達により、各企業との連携強化のほか、プロモーションにも力を入れる。現在、YAMAPのダウンロード数は82万で、月間PV数は9929万に上るものの、プロモーション施策などは大きく展開しておらず、口コミだけで広がってきたという。テレビCMなどのマス向けではなく、高尾や上高地といった登山スポットに、安全性や楽しみが広がるツールとしてYAMAPを訴求していくという。また、裾野を広げるために、メディア事業を通じて非登山者へのリーチも促していく。インバウンドも、その領域に強いベンチャーやメディアとともに、山の良さであったり準備、危険性を発信していくとしている。

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