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スカパー!「プロ野球セット」会員数は微増--12球団全試合放送をかなえた“横のつながり”

加納恵 (編集部)2018年03月23日 09時00分
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 スカパー!が3月30日のプロ野球開幕に向け、2018年も動き出した。セ・リーグ、パ・リーグ12球団の全試合放送を例年通り実施するほか、パ・リーグ全球団とセ・リーグ3球団の主催試合のオンデマンドライブ配信、「プロ野球ニュース2018 開幕直前スペシャル」「プロ野球ワイド 開幕直前スペシャル」「GIANTSプレ・ポストゲームショー2018」など、豊富な関連番組を取りそろえる。


スカパー!プロ野球のウェブサイト
スカパーJSAT 取締役執行役員専務 メディア事業部門長兼コンテンツ事業本部長の小牧次郎氏
スカパーJSAT 取締役執行役員専務 メディア事業部門長兼コンテンツ事業本部長の小牧次郎氏

 「オープン戦は過去最高クラスで放送するほか、2軍やジュニアの試合もカバーしている。これだけ充実したコンテンツを用意できるのは、1997年から20年間に渡ってプロ野球放送に取り組んできたからこそ。2018年もスカパー!でプロ野球を楽しんでもらいたい」――スカパーJSAT 取締役執行役員専務 メディア事業部門長兼コンテンツ事業本部長の小牧次郎氏は、プロ野球コンテンツにかける思いをこう話す。

 スカパー!では、スポーツ専門チャンネルの「J SPORTS」「GAORA SPORTS」「スカイA」「FOX スポーツ&エンターテイメント」をはじめ、地上波放送局が手がける「フジテレビONE、TWO」「日テレジータス」「日テレ NEWS24」「TBSチャンネル」など、各チャンネルが持つプロ野球コンテンツを網羅。これらのチャンネルが見られる「プロ野球セット」(月額3980円/3月31日まではキャンペーン価格で1980円)を用意する。

 「各チャンネルと連携してプロ野球コンテンツをそろえられることがスカパー!の強み。球団との個別交渉が必要になる放映権も、横のつながりを強化することで12球団すべてをカバーしている。関連番組も各チャンネルが最良のコンテンツを考えて、切磋琢磨しながら作り込んでいる」(小牧氏)と、各チャンネルと連動して取り組む施策を説明する。

 2018年においてもこの流れを踏襲しており「長年の積み重ねにより、毎年少しずつ充実してきたコンテンツが売り。急激にぐっと増えているわけではないが、視聴者ニーズを読み取りながら増やしてきた」(小牧氏)という。

 プロ野球のテレビ放送は、視聴率低迷もあり、一時に比べ地上波放送の数が減った。その理由の一つを小牧氏は「中~高年齢層向けのコンテンツと思われているから」と指摘する。しかしスカパー!の見方は異なる。「確かに中高年が視聴者の主軸ではあるが、意外と若年層にも人気がある。昨今の『カープ女子』ブームもあり、若い女性にも人気が出てきた。その証拠に球場に行くと、若い人も多いし、女性も目立つ。視聴者と球場の来場者の内訳は同じ感覚」と分析する。

 スカパー!では、カープ女子を集めたイベントを企画するなど、独自の取り組みも実施。プロ野球コンテンツの視聴者獲得を後方支援する。

 スポーツは、スカパー!にとって重要なコンテンツの1つ。中でもプロ野球は「テレビと相性のよいスポーツ。リニア編成に向くコンテンツ」(小牧氏)と位置づける。

 その理由は「攻守交代がありインターバルを設けやすい。例えばサッカーは前半の10分見逃すと試合の流れがわからなくなりがちだが、野球であれば、途中の回から見ても楽しめる」(小牧氏)ため。また、引きの絵が重要なため、大画面テレビで見られることを喜ぶ視聴者も多い。

 「ピッチャーとバッターに注目が集まりがちだが、守備隊形を見たり、ボール運びを楽しみにしている野球ファンは多い。そうした人たちは引きの絵が見られることが重要。そのためには衛星放送波を使い、安定してコンテンツを届けられるのも、スカパー!のメリット」(小牧氏)と強調する。

Jリーグ開幕時にはエールも。スポーツと一緒に成長する

 スカパー!は、Bリーグなど、野球やサッカー以外のスポーツコンテンツの放送やJリーグの全試合生中継など、この市場を切り開いてきた立役者の1人だ。しかし「スポナビライブ」(5月でサービス終了)や「DAZN」などスポーツ専門の映像配信サービスの登場で、現状は決して安泰とは言えない。

 小牧氏は「関連番組を豊富にそろえ、試合前後のフォロー体制も万全。チームのことを熟知した実況、解説があるなど、個々のクオリティを高めた合わせ技が大事。私個人としては、プロ野球ニュースが見られることにすごくプライオリティが高いと思っているし、試合だけでなく、全体を楽しむコンテンツをそろえていることがスカパー!の魅力」と強みを話す。

 さらに「プロ野球セットの加入者数は2017年シーズンよりも微増。もちろん映像配信サービスに切り替えるため退会するお客様もいるが、現状ではそれほど大きな数字ではない。また『もう少し低価格のサービスを提供してほしい』という声を多くいただいており、視聴者のニーズもきちんと把握できている。料金体系については、各チャンネルとともに決めることなので、簡単に値下げすることはできない分、コンテンツを良くする、イベントを実施するなどの面を強化していく」(小牧氏)と、スカパー!ならではの戦略を敷く。

 2017年、2018年とスカパー!のスポーツコンテンツに関する話題はネガティブなものが多かった。「スポーツの放映権は、常に取った取られたの繰り返し。スカパー!は長く放映権を取得する立場にあったが、映像配信サービスの登場により、その構図は変わってきた。映像配信サービスの登場は確かに脅威だが、その一方で終了するサービスもあり、現状は極めて複雑。そこを冷静に見ながら、“長くコンテンツを提供できる”仕組みをスカパー!は提供していきたい」と小牧氏が重要視するのは、コンテンツの長期的な提供だ。

 2017年のJリーグ開幕においては、放映権が取得できなかったため、スカパーJSAT代表取締役執行役員社長の高田真治氏がウェブサイト上に「スカパー!からの大切なお知らせ」として、お詫び文を掲載したが、2018年のJリーグ開幕時には、同社のSNS上で開幕を祝う文言を掲載。小さな文字でスカパー!が放映する「ルヴァンカップ」の文言も掲載したものの、Jリーグの開幕にエールを送った。


2018年のJリーグ開幕時には、同社のSNS上でエールを送った

 「スポーツの放映権は複雑で、サッカーのように協会がとりまとめているところもあれば、野球のように球団との個別交渉が必要なケースもある。それらを網羅できるのは、各チャンネルとの連携があってこそ。毎年細かな調整は必ず必要になるが、そうした対応をすることで、全試合放送を実現できる。各スポーツに寄り添って、各チャンネルとともに一緒にスポーツを育てていくそれがスカパー!の基本戦略で、その姿勢は今後も変わらない」と小牧氏は、スカパー!コンテンツ戦略の変わらぬ姿勢を話した。

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