トーバルズ氏、AMD製プロセッサの脆弱性に関するCTS Labsの主張を一蹴

Steven J. Vaughan-Nichols (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2018年03月16日 15時42分

 新興セキュリティ企業のCTS Labsは、AMDの「AMD Ryzen」と「AMD EPYC」プロセッサに10を超える脆弱性を発見したと主張した。CTS Labsはイスラエルのテルアビブに本社を置く、これまであまり知られていなかった企業だ。しかし、Linus Torvalds氏はその主張をうのみにしていない。

 Torvalds氏は以下のように記している

「『BIOSや、CPUのマイクロコードが邪悪なものに変更された場合に、セキュリティ上の問題が発生する可能性がある』などと読めるセキュリティアドバイザリなど今までにあっただろうか?そういうことだ」(Torvalds氏)

 また、同じスレッドには、「私はたった今、あらゆるハードウェアに存在する欠陥を発見した。セキュアなデバイスなど存在しない。つまり、デバイスに物理的にアクセスできるのであれば、そのデバイスを持ち去ることができるのだ。これで私もセキュリティのエキスパートになれただろうか?」という、ある人物によるコメントが記されている。

 彼らの指摘は的を射ている。

 CTS Labsはインタビューで、「この問題は、AMDが何カ月、あるいは1年かけても修正できるものだとは考えられなかったため、1日を待たずして(とりあえず)公開した」と主張している。

 これはTorvalds氏によると、「私にはセキュリティアドバイザリというよりも株価操作に見える」という。

 調査結果が初めて公開されてから数時間後、セキュリティ研究者のDan Guido氏は、CTS Labsの研究チームにその調査結果の確認を求められたとして、バグは実際に存在するとツイートした

 Torvalds氏は、これらがバグである点に同意しているものの、誇大な主張には閉口している。

 バグは存在するのだろうか?答えはイエスだ。だが、現実世界に影響を及ぼす可能性は低い。

 まず、もはや犯罪と言ってもよいほど職務に怠慢なシステム管理者が必要になる。Torvalds氏にとって、扇動的なセキュリティ報告書は本来の仕事に支障を来すほど気を散らされる迷惑なものなのだ。

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