オンライン学習塾「アオイゼミ」を運営する葵は2月26日、小中高生向けの家庭教師のCtoCマッチングサービス「家庭教師のレコンズ」(以下、レコンズ)を2018年春に開始することを発表した。まずは一都三県(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県)で提供する。同日より公式サイトを公開し、教師と生徒の事前予約受付を開始。事前登録者には、初回授業料が2000円引きになる特典を提供する。
レコンズは、最適な家庭教師を探して直接契約できる小中高校生向けのCtoCプラットフォーム。保護者は、指導実績や教科、時給、趣味などの条件から教師を探し、気になる教師が見つかったらメッセージ機能を使って連絡する。契約が成立したら日付や授業内容を決めて、実際に1対1の授業を受ける。その後、教師から指導報告書が届き、内容を確認してから料金を支払うという仕組みだ。指導場所は自宅に限定しておらず、カフェや公共施設などを指定することも可能だ。
自身も家庭教師の経験があるという葵代表取締役の石井貴基氏は、従来の家庭教師派遣会社では、在籍大学などは選べるものの、教え方がうまいといった教師のスキルまでは可視化されていなかったと話す。また、教師に支払われる授業料が一律で、そのうちの50〜60%(同社調べ)が手数料となっているため、結果的に授業料が高額になり家庭にとっては負担が重く、教師にとっても指導報酬が少なくなってしまうという課題があったと指摘する。
そこで、 レコンズではCtoCマッチングプラットフォームの形式を採用し、Airbnbなどのようにユーザーレビューにもとづいた教師ごとの「授業満足度」も表示することで、教師の指導レベルをすぐに確認できるようにした。また、授業料は教師が自ら設定できるようにし、手数料も20%に抑えることで、教師と家庭それぞれにとって使いやすいプラットフォームになっているという。同社では1時間あたり2000円程度の授業料を想定している。
サービス開始当初は、数学(算数)、英語、理科、社会、国語といった主要科目を中心に、約1000人の家庭教師を揃える予定。大学生に限らず、中学受験や高校受験、大学受験で実績のあるプロ講師も登録するため、学習に関するアドバイスだけでなく、学校のテストでの点数向上、志望校対策まで幅広いニーズに対応できるとしている。また、英会話やプログラミングの科目も早期に用意したいと石井氏は話す。
同社が運営するオンライン学習塾のアオイゼミとも連携する。アオイゼミは約30万人の中高生に使われており、これらの生徒をレコンズに送客する。「アオイゼミで日々の学習をして、週に1度家庭教師に学習状況を確認してもらったり、分からないところを教えてもらったりするといった使い方もできる」(石井氏)。
また、同社は2017年11月末に、通信教育「Z会」や学習塾「栄光ゼミナール」などを展開するZ会グループの傘下となった。レコンズに登録した家庭教師には、長年Z会グループが培ってきた指導ノウハウを伝えるためのマニュアルを提供し、一定の品質を担保するという。また、Z会から大学に進学した生徒に対し、レコンズの家庭教師になってもらうといった連携も検討していきたいと展望を語った。
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