テックビューロは2月20日、同社の仮想通貨取引所「Zaif」でシステム不具合が発生し、板情報に異常値が出現したと発表した。
不具合は、2月16日17時40分ごろから17時58分ごろの間で発生。同社サービス「簡単売買」のシステム不具合により、ゼロ円で仮想通貨を売買できる状態になったほか、ビットコイン/日本円の板情報に異常値が表示されたとするもの。なお、このトラブルは同日19時34分ごろには復旧したとしている。
同社ではその原因について、簡単売買の価格計算システムに異常が生じ、ウェブシステム側でゼロ円でも売買できてしまう不具合と重なり、7名のユーザーがゼロ円で仮想通貨を購入したとしている。また、そのユーザーの一部がゼロ円で購入した仮想通貨を取引所で売り注文に出したため、取引板に異常な数値が表示されたと説明する。
当該の売買については、システム異常によるため訂正扱いとし、ユーザーの残高データについても修正したという。7名のうち6名についてはユーザー対応が完了しており、1名については継続対応中であるほか、他のユーザーには影響はないとしている。また、ビットコイン現物の出来高ランキングについても、現在は正常な集計結果を表示しており、不具合の対策以降、システムは正常に稼働しているという。
このトラブルでは、TwitterなどのSNSでユーザーから「20億BTC(現時点で約2400兆円)の売り注文がZaifに出ている」といった指摘が相次ぎ、ビットコインをゼロ円で21億BTC分購入したとするユーザーが名乗り出ている。同ユーザーは、20億BTCを指値で売りに出したとしており、それが板情報に表示されたとみられる。
【速報】 20億BTC(時価約2154兆円)の売り板がZAIFに出現!!!!!! *BTCは最大発行枚数でも2100万BTCです。 pic.twitter.com/TCGWfnHeNp
— 灯篭 Blockchain かもしれない (@touroukawaii) 2018年2月16日
なお、ビットコインの発行枚数だが、マイニングによる採掘(新規発行)により2140年に総発行量である2100万BTCに到達するとされている。今回の20億BTCは総発行量の100倍近くに達することから、存在しない枚数のビットコインを扱っていたとみられ、「ノミ行為に当たるのでは」と指摘する声もSNSを中心に挙がっている。
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