楽天は2月13日、2017年度通期および第4四半期決算を発表した。2017年12月期の連結業績は、売上高が9444億7400万円と前年比20.8%増となったほか、営業利益が1493億4400万円(同90.2%増)、Non-GAAP営業利益が1670億1000万円(同39.6%増)、税引前利益が1380億8200万円(同85.5%増)となった。
楽天市場をはじめ、楽天トラベル、楽天ダイレクト、楽天ペイ、C2C事業などを含めた国内EC流通総額は3.4兆円となり、前年同期比で13.6%増。楽天カードショッピング取扱高も6.1兆円も前年比21.5%増加した。これらに、Edy決済取扱高、楽天ポイントカード取扱高、海外EC流通総額などを合計したグローバル流通総額は12.9兆円(前年同期比21.1%増)となった。
セグメント別では、国内ECやコミュニケーション&スポーツ、その他サービスを合わせたインターネットサービスセグメントでは、売上高6803億円と前年比21.4%増、営業利益は1008億円(同81.3%増)。楽天カードや楽天銀行、楽天証券などのFinTechセグメントは、売上高が3332億円(同12.5%増)、営業利益は728億円(同11%増)となった。楽天カードは引き続き好調で、2018年1月には会員数1500万人を突破している。
同社では、楽天モバイルのMNO事業参入のほか、ビックカメラやウォルマートとの提携による直販ビジネスの強化、朝日火災海上保険の買収による損害保険事業への参入、C2C事業の統合(楽天のフリマアプリ「ラクマ」と、傘下のFablicが運営する「フリル」を統合)など、動きを活発化している。C2C事業については、2017年第4四半期で流通総額が前年同期比で2.7倍に伸びたほか、年換算での流通総額も1400億円を突破したとしている。
MNO事業への参入については、2019年末ローンチに向けて準備プロセスを進めている。MNO3社の出身者を積極的に採用するほか、インフラ構築で協力する外部ベンダーからの見積もりをもとに数年間で6000億円の設備投資を実施。AIの活用も進め、効率的にネットワークを構築することで全国をカバーできるとしている。また、投資額についてもユーザー数の規模感や、イー・アクセスやUQコミュニケーションズが新規に電波を割り当てられた際の設備投資額と比較し、妥当な金額であるとしている。
今後の成長領域として広告ビジネスにも力を入れる。同社では、2017年7月に楽天データマーケティングを設立。同年12月には企業のブランドサイトを楽天市場上に展開できる「RMP-Brand Gateway」を提供している。今後は、実購買データを主軸とした広告配信プラットフォームなど、広告配信の最適化などを進める。楽天代表取締役社長兼会長の三木谷浩史氏は、「アリババなど売上の半分が広告収入。楽天はまだ十数%であり、今後伸びしろが極めて大きいと考えている」とした。
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