端子が1つもないボディデザインに、高さ18mm×幅230mm×奥行き60mmのフラットな形状。GREEN FUNDING by T-SITEでクラウドファンディングを実施している「TOUGH BEAT」は、世界初の完全防水フラットパネルスピーカだ。
開発、製造を手がけるのは、音響機器の企画、設計、開発などを手がけるオーセンティックインターナショナル。前身はNECの社内ベンチャーとして立ち上がった「オーセンティック」で、フラットパネルスピーカの製造、開発で知られる。
フラットパネルスピーカは、壁やテーブルなど貼り付けた平面がスピーカとして機能するもの。従来のコーン型スピーカが球面波として音を届けるのに対し、フラットパネルスピーカは平面波として直線で音が届くため、遠くまで聞こえ、ノイズが少ないことが特長だ。オーセンティックインターナショナルでは、この技術を使って、画面から音が出る液晶ディスプレイやスクリーンスピーカの開発を手がけている。
TOUGH BEATは、フラットパネルスピーカの技術をBluetoothスピーカに落とし込んだもの。BtoBを中心に事業を展開しているオーセンティックインターナショナルとしては、珍しいBtoC向けモデルになる。
鞄にすっぽり収まり、邪魔になりにくいサイズ感は、以前作っていたスピーカ搭載のiPadケースをベースに作成。「ケースにフラットパネルスピーカを搭載することで、コンパクトサイズを確保しながら高音質再生が楽しめるiPadケースを以前作った。タブレットとして人気を集めるiPadのサイズ感をTOUGH BEATに継承することで、持ち運びやすさを狙った」とオーセンティックインターナショナル 取締役の前川博史氏は話す。
デザインは4タイプを作成し、自身のInstagramに投稿。フォロワーから最も「いいね」がついたものを正式に採用している。当初はパールホワイト1色を想定していたが、GREEN FUNDING側から「オーディオ機器はマットブラックも人気が高い」とのアドバイスを受け、2色をラインアップ。TOUGH BEATというネーミングはGREEN FUNDINGのスタッフが名付けたという。「開発過程はもちろん、写真や動画の撮影など、クリエイティブ面でも、GREEN FUNDINGの方には多くのアドバイスをいただいた」と前川氏は、二人三脚で作り上げてきた今回のプロジェクトを振り返る。
フラットパネルスピーカは、「エキサイター」と呼ばれるフラットスピーカモジュールが、壁やテーブルなど貼り付けた平面を振動させて音が出る仕組み。貼り付ける平面の素材や形状によって音が変化し、中が空洞になっているダンボールや面積の大きいホワイトボードなどでは特に良い音を奏でるという。
オーセンティックインターナショナルでは、エキサイターの開発、製造技術を持ち、他社へ技術提供やコンサルティングなどを実施。その中でバスルーム内に取り付けられるお風呂スピーカがヒットモデルになっており、人気ぶりからTOUGH BEATの開発に踏み切った。
完全防水にするため、電源部のいらない無接点充電を採用。背面にはマグネットを装備し貼り付けられるようにしたほか、貼り付かない壁やテーブル用に、貼付けシートも付属する。
GREEN FUNDINGでは、TOUGH BEATと「OVO」を会場内に展示したライブイベント「SHIBUYA TSUTAYA×GREEN FUNDING 第2弾ライブ『Re:speakers』supported by OVO/TOUGH BEAT」を1月に開催。ウェブサイト上に加え、プロジェクトと支援者のリアルな接点も設けている。
前川氏は「クラウドファンディングでは、私たちだけではできない部分を補ってくれる。TOUGH BEATのような新しい商品はどれだけ多くの人に届けられるかが大事。クラウドファンディングを通じて目に触れてもらえる機会を増やしたい」とコメントした。
クラウドファンディングの実施期間は2月28日までで、支援金額は1万4000円~。2月8日現在、目標金額100万円に対し、800万円以上の支援を集めている。
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