グリーは2月2日、2018年6月期第2四半期(2017年7~12月)の連結決算を発表。売上高は410億7400万円(前年同期比で35.8%増)、営業利益は50億3400万円(同24.5%増)、経常利益は57億400万円(同10%減)、純利益は38億9100万円(同69.4%減)となった。
四半期ベースで見ると、売上高が194億6000万円(前四半期比で21億5000万円減)、営業利益は23億4000万円(同3億5000万円減)、経常利益は26億9000万円(同3億3000万円減)、純利益は19億9000万円(同8000万円増)。前四半期からは減収減益となったものの、主力のゲーム事業におけるリリースラッシュといった初期の盛り上がりを見せた第1四半期から、第2四半期では一旦の落ち着きが見られる時期であることを想定しており、売上高や営業利益ともに計画を上回った数字と説明する。
ゲーム事業のモバイルゲームでは、運営強化による売上の成長を促進するべく、新章(新規コンテンツ)の追加や大型コラボの展開を図る。また新作としては、1月に女性向けゲームブランド「オトメイト」のキャラクターたちが登場する恋愛パズルRPG「LibraryCross∞(ライブラリークロスインフィニット)」。堅調な立ち上がりを見せているという。
第3四半期の業績予想については、売上高は195億円、営業利益は25億円、経常利益は25億円、純利益は16億円と、おおむね横ばいでの数字を見込む。
この日は、既報の通りに家庭用ゲームなどモバイルゲーム以外のプラットフォームにも、ゲームタイトルを展開していくことを表明。第1弾として、Nintendo Switch向け「釣り★スタ」を、2018年にグローバルで配信する。
グリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏は、モバイルゲームにおいて展開している自社ゲーム用に開発した技術基盤となるエンジンを強化し、自社だけではなく共同原作や他社のIPを活用したゲームを開発、そしてグローバルでの展開を進めていく「エンジン×IP×グローバル」戦略を、家庭用ゲームに拡充していくと説明する。
Nintendo Switch向けの釣り★スタについて取締役上級執行役員の荒木英士氏は、Nintendo Switchの特徴でもある、コントローラ「Joy-Con」のセンサなど活用した体感をともなう内容だとし、モバイルゲームとは別物という。ビジネスモデルも買い切りタイプを想定し、追加ダウンロードコンテンツの有料販売は可能性があるとしたものの、いわゆるモバイルゲームでイメージされるアイテム課金制は「考えていない」とした。
第1弾がNintendo Switch向け、そして釣り★スタをテーマにしたことについて荒木氏は、Nintendo Switchの展開が初期段階にあることから、特徴を生かしたタイトルを出していきたいという意向があったことや、カジュアルタイプのゲームが好まれやすいこと、そして釣りは肉体的な体験性がありNintendo Switchで生かせることを挙げた。田中氏からは、あらゆるプラットフォームで釣りゲームは底堅いニーズがあり、またVRコンテンツとして釣り★スタを配信するなど、IPとしてあらゆるプラットフォームで幅広く展開していきたいという意向も合致したと付け加えた。
家庭用ゲーム市場の参入について、荒木氏はスマートデバイス向けゲーム市場において、アプリ単体だけは勝負しづらい環境があることを背景に「ゲーム、そしてIPのバリューチェーンを出していくことが大事」と語る。リリースするチャンネルを広げていくことが、IPとしてのアップサイドを狙えるのとあわせて、そのチャンネルを広げられる力を持つことで、より有力IPを保有する権利者との協業ができるとした。
田中氏からは、「モバイルゲームがリリースされると、家庭用ゲームが売れる。家庭用ゲームがリリースされると、モバイルゲームが売れる」と表現するように、あるIPを活用した新作タイトルがリリースされると、別のプラットフォームの同一IPタイトルが売れるという相乗効果があるとし、家庭用ゲームをリリースすることで、モバイルゲームの売り上げを伸ばすものと説明。さらに同一のIPを活用したゲームを総合的に制作し、展開することは収益のかさ上げにつながるとした。
また、「有力IPを保有する権利者との協業を進めるなかで、モバイルゲームも家庭用ゲームもVRコンテンツも一括して開発を受けられることは、権利者側からすると重要な要素」と語り、総合力で勝負できるように事業を成長させていく方針だとした。
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