ヤフーは2月2日、2017年度第3四半期の決算を発表した。
第3四半期の売上高は2307億円で前年同四半期比で4.3%増、営業利益は528億円(同2.0%増)だった。また、4~12月期累計の売上高は6587億円(前年同期比4.4%増)、営業利益は1478億円(同2.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1031億円(同1.6%減)。各事業では、メディア事業が728億円(前年同四半期比4.0%増)、コマース事業が1542億円(同4.3%)、その他が65億円(同7.2%減)で、4~12月期の累計では、メディア事業が2114億円(前年同期比3.1%)、コマース事業が4379億円(同5.1%増)、その他が185億円(同5.6%減)となった。
メディア事業では、月間アクティブユーザーID数は4174万IDと前年同月比で12%増加したほか、スマートフォンアプリを合算したデイリーアクティブユーザー数は4254万と、前年同四半期比で24%増となった。また、広告関連事業では、売上高が778億円(同7%増)となり、ディスプレイ広告、検索連動型広告ともに伸長。スマートフォン広告は430億円(同15%増)と好調さをアピールした。また、これまでのインフィード広告に加え、トップページに動画広告を表示するプレミアム動画広告を2017年12月に配信開始しており、2018年中にスマートフォンアプリ版に導入する予定だ。
コマース事業では、「Yahoo!プレミアム」会員数を含む有料会員数が2511万人と前年同月末比で43%増加。2017年4月に打ち出した、ソフトバンクユーザーにおけるYahoo!プレミアム会員の無償提供によるユーザー増が寄与した。Yahoo!ショッピングやLOHACOなどのショッピング事業全体での取扱高は、1804億円と前年同四半期比で28%増。Yahoo!ショッピングの購入者数は、2013年のeコマース戦略発表時から比べて2倍以上に増加した。
また、ショッピング広告売上高も77億円(同32%増)だったほか、Yahoo!ショッピング取扱高におけるショッピング広告テイクレートは、ポイント費用比率を上回っている。同社代表取締役社長の宮坂学氏は、「流通額に応じて比率以上に売主からの広告費用のほうが多い。ビジネスモデル的にも無理してポイントをばらまいているのではなく、サスティナブルに展開できている」と説明した。
決済分野では、「Yahoo!ウォレット」の口座数が3092万と前年同月末比で9%増だったほか、取扱高も3752億円と前年同四半期比で16%増。また、クレジットカード有効会員数も442万人に上り、前年同月末比で30%増、取扱高も2618億円と前年同四半期比で1.5倍に伸びた。なお、質疑応答で仮想通貨の取り扱いに関する質問が出たが、ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏は「今は考えてない」としたほか、今後のことについても4月に川邊健太郎氏への社長交代を控えていることもあり、言及は控えた。
川邊氏による新体制では、「データの会社」を主要テーマに掲げている。宮坂氏は、「ウェブ、アプリ、PC、スマホなどすべてのサービスはパーソナライズされて提供されている。動画、ニュース、広告など、ユーザー全員が同じものを見るサービスはほとんどない」とし、ヤフーが持つメディア、EC、位置、オフライン決済、PIM、スマホ決済、ビデオ視聴などの膨大なデータが1つのユーザーIDに紐付けられており、競合が真似できないデータ処理エンジンを作って最適な提案を示すことで、トラフィックや広告売上、取扱高などの拡大につながると述べた。
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