「インフルエンサーマーケティング」になじみのないブランドもあるだろうが、今や多くのブランドがこの手法を確立された効果的な戦略とみなしている。特にミレニアル世代をターゲット層としているブランドはそうだ。こうしたタイプのマーケティング手法は、ミレニアル市場の成熟につれて急成長するとみられる。
消費者のブランド認知と購買判断へのソーシャルインフルエンサーの影響力は高まっている。
Olapicの「Psychology of Following」調査によると、欧米の消費者の31%以上が、ソーシャルインフルエンサーの投稿に基づいて何らかの製品あるいはサービスを購入した経験があると答えたという。
このアンケートは、米国、英国、フランス、ドイツの16〜61歳のアクティブなソーシャルメディア利用者4000人を対象に行われた。
この調査は、消費者がなぜソーシャルメディアインフルエンサーをフォローし、信頼するのかと、インフルエンサーによるリコメンドにどのように反応するかを理解するために実施された。
インフルエンサーマーケティングは、大手ブランドのみを対象としたメカニズムではない。新興企業もインフルエンサーと協力することで勢いを得られる例が増えている。
Somnosという新興企業が1月に立ち上げた、健康的な眠りに適した重みのある掛けぶとんのKickstarterキャンペーンが、目標額の2万ユーロ(約270万円)を12時間で達成した。
このキャンペーンの支援者の42%以上が、インフルエンサーマーケティングの成果であると、InstagramのインフルセンサーマーケティングプラットフォームTakumiが明らかにした。
インフルエンサーとは一般に、1万人以上のフォロワーを持つソーシャルユーザーと定義されている。ブランドの製品やサービスのプロモーションを助けるが、従来の“セレブ”のように有名である必要はない。
彼らは高品質で画像満載の投稿や動画を通じて、より多くの情報を共有する。スクロールする指をとめられるようなコンテンツのための次のネタを常に探しており、新しいタイプのセレブになった。
Open Influenceが500人以上を対象に実施した最近の調査によると、60.5%以上の人々がソーシャルメディアを製品購入前の第一の情報源だと答えた。
さらに、回答者の79%が、ソーシャルメディアでフォローしている人々からの製品リコメンドを信用していると答えた。
インフルエンサーのコンテンツで最も好まれるのは画像と動画で、インフルエンサーをフォローするプラットフォームとして多く利用されているのはFacebook、Instagram、YouTubeなどである。
ソーシャルな消費者の定義は人によって異なるだろうが、ブランドは今や、エンゲージメントや販売の促進にソーシャルインフルエンサーが与える影響を認め始めている。
Linqiaの報告書「The State of Influencer Marketing 2018」によると、2017年にインフルエンサーマーケティングを使ったブランドのうち、92%が効果があったとしている。回答者の半数が、インフルエンサーのコンテンツはブランド自身が製作したコンテンツより効果があったと答えた。
インフルエンサーマーケティング導入の増加は、このチャネルが単なる一過性のマーケティングの流行ではなく、マーケティングミックスの重要な要素になりつつあることを示している。インフルエンサーのコンテンツは、市場の成熟につれて複数のチャネルにわたって影響を与え始めている。
インフルエンサー(とセレブ)は、ソーシャルへの投稿でブランドに協力すれば、消費者が投稿をよりプラスの方向に捉えることを知っている。
この波に乗り遅れないためには、マーケティング担当者は2018年、デジタルチャネルのパフォーマンスを上げるためにインフルエンサーのコンテンツを使う計画と、製品販売を促進するためにeコマースにインフルエンサーのコンテンツを統合する計画を立てる必要がある。そして、ブランドは成功のために、マーケティングミックスにインフルエンサーマーケティングを追加することを検討すべきだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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