若年層がメインユーザーのスマートフォンアンケートアプリ「TesTee(テスティー)」を運営するテスティーと、CNET Japanが共同で現代の若者たちの実態に迫る同連載。
第8回目は10~20代の男女1225名(10代:606名、20代:619名)を対象に「音楽」に関する調査を実施。また、スマートフォンのスクリーンショット画像を収集して傾向を分析し、若年層の行動や意識を解明していく。調査期間は2018年1月4日~6日。
まず、10〜20代の男女を対象に音楽に関して調査した。「音楽を聴く頻度」を尋ねたところ「毎日」と回答した人は10代女性で58.8%、10代男性で52.2%、20代女性で43.4%、20代男性で38.9%となった。20代男女に比べて10代男女の方が、音楽を聴く頻度が高い傾向にあることがわかった。
音楽を全く聴かないと回答した人以外を対象に「好きな音楽のジャンル」を尋ねたところ、いずれの性年代においても「J-POP」との回答が圧倒的多数を占めた。第2位も共通して「ロック」がランクイン。一方、第3位は年代で差異が見られ、10代は男女ともに「ジャズ」、20代は男女ともに「(昭和)歌謡」がランクインした。また、ランクインしなかったものの全年代で「アニメ」「ボカロ(ボーカロイド)」という回答も多く挙がった。
続いて、音楽に関する情報収集方法について調査した結果、いずれの性年代においても第1位が「スマートフォン」、第2位が「テレビ」となった。「テレビ」と回答した人を対象に「見ている番組名」も併せて調査したところ、「ミュージックステーション」という回答が圧倒的に多い結果となった。他にも「COUNT DOWN TV」や「ドラマの主題歌」「CM」という声も散見された。
全性年代で第1位となった「スマートフォン」に関してさらに調査を実施した。「どのようにスマートフォンで音楽の情報を収集していますか?」と尋ねたところ、最も多かったのは「SNS」となり、10代女性で66.0%、20代女性で62.9%、10代男性で52.6%、20代男性で40.6%となった。
差異が見られたのは年代で、10代男女では「動画アプリ」の利用率が高く2人に1人が利用していることがわかった。一方、20代男女はばらつきが見られ、アプリ利用も4割を下回り、10代に比べて低い傾向となった。
続いて、スマートフォンを利用した「音楽視聴」に関して調査を行った。まず、「スマートフォンで音楽を聴きますか?」と尋ねたところ、10代女性の88.7%、20代女性の74.2%、10代男性の84.5%、20代男性の65.5%が「聴く」と回答した。
「スマートフォンで音楽を視聴する」と回答した人を対象に、アプリとウェブのどちらをよく利用するか尋ねると、いずれの性年代においても8割以上が「アプリ」と回答。また「利用している音楽サービス」に関して調査したところ、いずれの性年代においてもほとんどが無料視聴サービスを利用しており、楽曲課金制、月額課金制を利用している若年層は2割未満となった。
そこで、音楽視聴の際に利用するアプリを尋ねたところ、性年代問わず、「YouTube」が他アプリに大差をつけて第1位となった。利用率は10代女性で62.8%、20代女性で65.3%、10代男性で54.3%、20代男性で45.5%となった。
全性年代の第2位にランクインした「Music Box(FM)」は、無料でアプリインストールができることからいずれの性年代においても一定数の利用者がいることが伺える。第3位については年代によって差異があり、10代では「LINE MUSIC」が、20代では「Apple Music」がランクインした。
最後に、利用アプリで第1位となったYouTubeに焦点を当て、若年層が動画や音楽の視聴に利用しているアプリを調査した。YouTubeを利用している男女160名(10代:61名、20代:99名)を対象に、YouTubeアプリを設置している画面のスクリーンショット画像を提供してもらい、周辺アプリの傾向を分析した。
YouTubeアプリの周辺に設置されているアプリで最も多かったのは「niconico」で24票。次いで14票で「AbemaTV」、12票で「GYAO!」と続き、動画視聴アプリの設置率が高いことが分かった。同率3位となった「LINE MUSIC」は、10代に比べて20代の保有率が高い傾向となった。また、ラジオ視聴アプリの「radiko.jp」も10票で第5位にランクインした。一部課金制の音楽視聴アプリ「Spotify」「AWA」を設置している人も数名見受けられた。
このほかにも、ライブ配信アプリの「SHOWROOM」「V LIVE」、動画やライブ配信など女性をメインターゲットとした「nana」「C Channel」「Mix Channel」などが散見され、若年層が動画アプリや動画サイトを頻繁に利用している様子が伺えた。
ひとえに「音楽を聴く」と言っても、現代の若者が音楽に触れるスタイルは多様化しており、TVやCDのみならず、動画やライブ配信など映像と合わせて視聴する人も少なくないことが読み取れる調査結果となった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」