家庭用ロボットを開発するGROOVE X(GX)は12月4日、未来創生ファンドや産業革新機構などから、最大64億5000万円を調達したことを発表した。同社の累計調達額は最大78億7000万円となる予定。
GXは、ソフトバンクの感情認識ロボット「Pepper(ペッパー)」の開発リーダーを務めた林要氏が2015年に立ち上げた企業。同社では現在、人に寄り添い、癒しを与えることを目的にした家庭用ロボット「LOVOT(ラボット)」を開発している。このコンセプトネームは、LOVEとROBOTを融合したものだという。2018年末に製品を発表し、2019年に一般販売を開始する予定。
製品デザインや機能などについては一切明かされなかったが、林氏によれば、都市型の生活と相性の良い癒し系のロボットになるという。本体サイズはPepperよりは小さく、ソニーが開発した犬型ロボット「aibo」よりは大きいとのこと。また、形状は人型や動物型にはこだわっていないと付け加えた。開発状況については「会社設立当初の計画から、(進捗は)ほとんどズレていない。ソフトウェア、ハードウェアともにいくつか試作しており、スケジュール通りだったからこそシリーズAの調達ができた。量産も準備している」と説明した。
ところで、2019年という発売時期はやや遠く感じる。この点については「最近のIT業界のトレンドであるリーンスタートアップは、ありものを組み合わせることで新しいサービスを作ること。この場合は、なるべく早くまわしたほうがいい。ただし、ハードテックはそのような流れでは進んでいない。はるかに先を見据えて今ないものを作り出そうとする。そのようなハードテック分野で成果を焦り、あまりに拙速に今あるものだけで何かを作り出して、未来を築けるかというと片手落ちになると思う」と持論を展開した。
今回調達した資金は、今後の製品発表や発売に向けた開発・マーケティング費用に充てる予定。なお、出資後も未来創生ファンドを運営するスパークスと産業革新機構は社外取締役を派遣するなど、GXに対してハンズオンの支援を継続するとしている。
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