Amazonは米国時間11月30日、「Alexa for Business」を発表した。Amazonの音声駆動デジタルアシスタントを新たに職場にもたらすものとなる。オフィスでこのサービスを利用して、音声コマンドで備品を再注文したり、電話会議を始めたりできるようになる。
Alexaは、「Echo」スピーカやストリーミングデバイスのリモコン、カメラなどの一般的に家庭で使われる製品に搭載されているが、Alexa for Businessは、その高い人気を誇るAlexaのサービスを新たに拡大させたものだ。Alexaをオフィス環境に導入するには、デバイスのIT管理や企業レベルのセキュリティが必要になるなど多数の課題が伴うが、こうした新たな環境にAlexaを導入することに成功すれば、Echoデバイスの販売を拡大し、同社の音声アシスタントを人々の日常生活の主要な側面に普及させていくことにつながる可能性がある。
AmazonでAlexaエクスペリエンスとEchoデバイス担当バイスプレジデントを務めるToni Reid氏は、ニューヨークで開かれたBusiness Insider主催のIGNITIONカンファレンスで、「家庭での体験に顧客が満足していることがわかり、これは、その満足感を職場でも体験してもらうための手段だ」と述べた。
新しいAlexa for Businessのサービスは、「Alexa、会議を開始して」と声をかけることで会議室でのミーティングを参加するなどの機能に対応するほか、オフィス周辺の道案内や、空いている会議室の検索、ビル設備の問題の報告、新しい備品の注文といった特別なスキルでカスタマイズすることができる。
GartnerのアナリストであるWerner Goertz氏は、30日の発表は「始まりにすぎない」と述べるとともに、Alexaは今後ビジネス環境でさらに多くの機能を提供していく可能性があるとした。例えば、企業各社が自社の従業員用にカスタマイズした音声対応アプリを構築することのできる、非公開のAlexaアプリを開発可能にすることなどが考えられる。
また同氏は、AWS部門による新しい音声テキスト化サービスや翻訳サービスが、今後Alexa用の何らかの新しいツールを提供する可能性もあるとした。
Alexaは速いペースで米国外へと提供範囲を拡大しているが、Reid氏によると、世界中に完全に浸透するまでには何年もの年月がかかる見込みだという。「もっと速く進めたいと思っている」と同氏は述べたが、展開の拡大に伴い、品質管理を確保する必要があるとした。
Alexaは2014年に米国で発表され、その後、英国、ドイツ、インド、日本で提供を開始した。12月にはカナダ、2018年初頭にはオーストラリアとニュージーランドでリリースされる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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