クックパッドが「料理動画」に本格参入--岩田社長「圧倒的ナンバーワン目指す」 - (page 2)

小売店にクックパッドの動画サイネージを設置

 動画広告の分野では、阪急オアシス、ベルク、マルエツ、ユニー、ヨークベニマルといった小売店チェーンと協業して、食料品売り場に動画コンテンツを配信するデジタルサイネージ「cookpad storeTV」を展開する。具体的には、店舗ごとの売り場計画の提供を受けて、クックパッドが配信するコンテンツをチューニングし、売り場の中身に適した動画コンテンツを、買い物をしながらメニューに悩む来店客に対して提供するという。


小売店の販売計画に応じた動画コンテンツを配信する

 また、この動画コンテンツのタイアップやテレビCM配信などを食料品メーカーなどに販売する計画で、小売店チェーン、地域、売り場単位で配信先を特定したターゲティングも可能だという。

 岩田氏はこのビジネスモデルの狙いについて、「クックパッドの強みのひとつは、夕方に夕食のレシピ検索をするユーザーが多く、買い物への影響力が高い点。売り場でレシピ検索をするユーザーはもちろん、買い物をしているだけの消費者にも、動画を通じて自然に料理のインスピレーションを与えられ、購買行動につながる」と説明する。


デジタルサイネージの設置イメージ

 同社では8月から全国100店舗でトライアルを実施し、生鮮食品などの売上が向上したという事例が生まれているという。cookpad storeTVでは店舗に設置するサイネージ端末も同社が開発するが、岩田氏は「トライアル段階でハードウェアに投資する価値のある結果を得られている」と自信を見せた。12月からは全国約1000店舗に約3000台のサイネージを設置し、早期に全国5000店舗への展開を目標にしているという。

 なお、動画分野における課金型サービスの方向性については、2018年早期に発表する予定だとしている。「圧倒的なユーザー基盤を活用し、従来のレシピ検索中心のサービスと新たな料理のインスピレーションを受けられるサービスの両輪で、今後10年の事業拡大を目指したい」(岩田氏)。

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