韓国の起亜自動車はすでに、Amazonの「Alexa」搭載デバイス向け音声ガイドを提供している。しかし、その役割は製品情報を提供することだけだ。最新コネクテッド技術に対する同社の次なる一手も、それと大差はないように見える。
起亜の米国法人は米国時間11月20日、製品情報チャットボット「Kian」を発表した。まずは同社のFacebook「Messenger」に導入し、追ってコンシューマー向けサイトにも実装するという。起亜はこれをバーチャルアシスタントと呼んでいるが、実際は起亜の自動車を買うように促すボットにすぎないようだ。
Kianは、自然言語を理解することができる。そしてユーザーに、現地で販売されているモデルの車両価格、月々の支払額の見積り、写真や動画の閲覧、特別キャンペーン情報を案内する。また、起亜製の自動車を他社の競合車種と比較するほか、最寄りのディーラーを見つける手伝いもしてくれる。
せっかくの人工知能(AI)や自然言語処理を、起亜はもう少し有意義なことに使えないものかと思うかもしれない。しかし、Kianは今のままでもそれなりに意味がある。誰にでもディーラーへ足を運ぶ暇があるとは限らないし、自力でいろいろと調べるのを面倒だと感じる人もいるだろう。Kianは、起亜がユーザーに見せたい答えしか示さないかもしれないが、新たなショッピングツールとして、ともすれば面倒な自動車購入の体験全般を改善する可能性を秘めている。
とりわけ注目すべきは、Kianが会話を通じて学習し、能力を向上させるよう作られている点だ。このプロジェクトで起亜のパートナーとなったCarLabsの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のMartin Schmitt氏は、次のようにコメントしている。「より多くの顧客がこのシステムを利用するのに伴い、Kianは質問を予測することを学び、より具体的な答えを提供し、時間が経つほどに賢くなる。このレベルの顧客データを手に入れることは、これまで以上に顧客をより深く理解し、より質の高いサービスを提供するための強力な手段となる」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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