Intelは米国時間10月17日、これまで「Lake Crest」という開発コード名で呼ばれていた新プロセッサ「Nervana Neural Network Processor(Nervana NNP)」を発表した。人工知能(AI)とディープラーニング(深層学習)を明確な目的に据え、開発に3年をかけたチップだ。Intelは、Nervana NNPの独特のアーキテクチャを説明するとともに、同プロセッサの市場投入準備を進める過程でFacebookと緊密に協力してきたことを明らかにした。Intelはさらに、製品ロードマップの始まりも示した。
IntelのArtificial Intelligence Products Groupでコーポレートバイスプレジデントを務めるNaveen Rao氏は、米ZDNetの取材に応じ、ディープラーニング用アプリケーションには各種のプラットフォームが提供されているが、Nervana NNPは商用製品として(AI向けにゼロから構築された)これまでに類を見ないプロセッサだと述べた。Rao氏によると、Intelがまったく新しいクラスの製品を提供するのはまれであり、そのためNervana NNPファミリはAI分野に対するIntelのコミットメントを示すものだという。
AIはコンピューティングに革命をもたらし、コンピュータを「データを推論する機械」に変えつつある、とRao氏は述べた。「10年後に過去を振り返ってみれば、この時が転換点だったとわかるだろう」(Rao氏)
Intelは2017年内に、Facebookを含む緊密な協力企業数社にプロセッサを提供する計画だ。Rao氏の説明によると、IntelはFacebookなど大企業の顧客と緊密に連携して、必要とする適切な機能群を判断しているという。2018年初めに、顧客各社はソリューションを構築し、「Nervana Cloud」を通じて展開できるようになる。Nervana Cloudは、Nervanaの技術を基盤とするPaaS(Platform as a Service:サービスとしてのプラットフォーム)だ。
Intelの最高経営責任者(CEO)を務めるBrian Krzanich氏はブログ記事で、Nervana NNPにより企業は「処理データの量を最大限に増やし、顧客がより優れた洞察を得られるようにする、まったく新しいクラスのAIアプリケーションを開発して、ビジネスを変革」できるようになると述べた。
Krzanich氏によると、たとえばFacebookなどのソーシャルメディア企業は、よりパーソナライズされた体験をユーザーにもたらし、より対象を絞り込んだリーチを広告主に提供できるようになるという。同氏は他にも、ヘルスケア業界における初期診断ツール、天気予報の改善、自動運転の進化といった利用例を挙げた。
Intelは、複数世代にわたるNervana NNP製品の開発を順調に進めており、2020年までにディープラーニングの学習性能を100倍向上させるという2016年の約束を達成するどころか、それを上回ることも可能だと述べている。IntelはNervana製品を毎年、場合によってはそれを上回るペースで投入する計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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