言葉で説明するには非常に難しい能力を、よくここまで分かりやすい言葉にできたものだ。本書ではその能力を「ソフトスキル」と呼んでいるが、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚という人間の「五感」を使った能力のことだ。本書は、ITを駆使するとか、ツールを使うといった仕事の効率化スキルではなく、言わば「人間力」とでも言うべき、自身にもともと備わっている能力に気づき、それを高めるために必要なアドバイスをくれる。
たとえば、「見た目」と直感で判断する視覚。人の話を先入観なく聴く聴覚。一見「うまい話」に見えても、「どこか怪しい」と感じる嗅覚。こうした感覚を無視してしまうのは簡単だが、それで何かが変わるだろうか。著者は、人生を変えていける「ライフシフター」になるために、五感を研ぎ澄ましておくことを勧めている。
ほとんどの人にとって転職とは、人生の一大事だろう。そのため、慎重になったり臆病になったりするのも当然だ。とくに「安定している」と思われる道を選んだ場合はなおさらだ。しかし、30年後も同じ仕事をしていることが想像できるだろうか。30年間まったく変化なく安定した人生など、ありえない。であれば、どのようなことがあっても、柔軟に人生のかじ取りをして、荒波を乗り越えていける、しなやかな自分になっておく方が断然いい。
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