マニュアル作成「Teachme Biz」が地銀と提携--地元企業の人材不足を解決へ

藤井涼 (編集部)2017年08月23日 17時34分
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 マニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz(ティーチミービス)」を運営するスタディストは8月23日、千葉銀行および四国銀行との提携を発表した。各行の取引先である地元企業の生産性の向上や人材不足といった課題の解決を目指す。両行は、9月1日から地元企業に対してTeachme Bizとのビジネスマッチングを開始する。

 Teachme Bizは、スマートフォンやタブレットで業務マニュアルや手順書を作成できるプラットフォーム。写真を撮影し、矢印をつけるなどの画像編集とテキストを加えるだけで簡単にマニュアルを作れる。同社によれば、従来の方法と比べてマニュアル作成にかかる時間が5分の1に短縮できるという。7月末には動画から静止画を切り出して、マニュアル画像として利用できる新機能「スナップショット」も実装した。

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マニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz(ティーチミービス)」

 同サービスはこれまでに、JALや三菱東京UFJ銀行、星野リゾートなど国内外の約1500社に導入されているという。ある飲食店チェーンでは、80店舗・2000人のスタッフに配布している料理の盛り付けのマニュアルをTeachme Bizに変えたところ、クレーム数が激減。この成果を受けて、集合研修などを撤廃したという。この飲食店チェーンが月間でTeachme Bizに支払っている金額は14万円とのことで、教育コストを大幅に削減できているという。

 また、全国に1000店舗以上を展開するドラッグストアでは、定番商品の棚やキャンペーン棚の陳列が変わるたびに、スーパーバイザーが各店舗を訪れていたそうだが、同じくTeachme Bizに変えたことで人件費の削減につながっているという。タスク配信機能では、マニュアルを開封したかどうかを把握できるようになっているが、将来的にはマニュアルの内容を実行した時間や作業した結果を、店舗の担当者が送り返すといった機能も提供したいとしている。

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国内外の約1500社に導入されている

地銀と組んで地方創生--新たな資金調達も

 今回の提携によって千葉銀行と四国銀行は、生産性に課題があったり、働き手が不足していたりする地元企業にTeachme Bizを紹介し、企業側にニーズがあった場合には、スタディストの営業担当につなげる。人材の入れ替わりが激しく、その度に教育が必要になることの多い、小売業、飲食業、宿泊業、物流業、製造業の主要5業種をターゲットにしているという。

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地銀との連携のイメージ

 スタディスト代表取締役の鈴木悟史氏は、生産性向上や人材不足、技術伝承などの課題を抱える企業の増加にともない、Teachme Bizも約3年にわたり、毎月前年比で200%以上の成長を遂げていると説明。しかし、首都圏以外の企業にリーチしきれていないという課題があったことから、地方銀行と提携することにしたと背景を語る。2017年度中に1行あたり30社の獲得を目標に掲げ、同じく年度内に5行の銀行と組みたいとした。

 同社では、ちばぎんキャピタル、横浜キャピタル、三井住友海上キャピタルから総額9000万円を調達したこともあわせて発表。この追加調達により、2017年のシリーズBラウンドでの調達総額は3億3000万円となった。ただし、資金を得ることだけが目的ではなく、各社とのアライアンスも視野に入れているという。

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スタディスト代表取締役社長の鈴木悟史氏

 今後の目標としては、現在1500社の導入社数を2017年度中に2000社まで拡大したい考え。Teachme Bizの競合サービスとしてマニュアル作成ソフト「Dojo」などがあるが、鈴木氏は「2000社くらいになれば業界ナンバーワンと言えるのでは。長期的には1万社を目指すが、そのためには海外展開も必要になる」と話す。

 海外展開としては、すでにマレーシアの回転寿司「SUSHI KING(寿司キング)」に採用されており、Teachme Bizによって調理の教育コストなどを削減できているという。そのため、今後も対応言語を増やしつつ、インドネシアやベトナムなどASEANの現地パートナーとの提携を模索していきたいとした。

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