Elon Musk氏とロボット工学および人工知能分野の著名な研究者らは、国際連合(UN)に対して、ロボット兵器の開発と使用を禁止するよう求めた。
The Guardianの現地時間8月20日の報道によると、TeslaとSpaceXの最高経営責任者(CEO)であるMusk氏と26カ国から参加した116人の専門家は公開書簡の中で、自律型兵器の使用が「戦争における第3の革命」を引き起こす可能性を警告したという。UNは先頃、ドローンや戦車、自動マシンガンを含む自律型兵器について、正式な協議を開始することを決議した。
「殺傷能力を持つ自律型兵器がひとたび開発されてしまえば、かつてないほど大きな規模、そして、人間が理解できないほど速いタイムスケールで、武力紛争が可能になるだろう。これらの兵器がテロ兵器になったり、専制君主やテロリストが罪のない人々に対して使用したり、ハックされて望ましくない方法で行動したりする可能性がある」(同書簡)
「私たちが行動できる時間はそれほど残されていない。ひとたびこのパンドラの箱が開かれてしまったら、それを閉じるのは難しいだろう」(同書簡)
AI(機械やコンピュータ、システムが人間のような知性を示す能力)の研究はこのところ、GoogleやFacebookといった巨大なテクノロジ企業に支配されている。特に注視すべき応用例は、無人飛行機やミサイル防衛システム、偵察ロボットを含む自律型兵器だ。
Musk氏は、太陽光発電や宇宙探査、電気自動車に関してはテクノロジを楽観視しているかもしれないが、超知的マシンが将来的に人類の存続を脅かすおそれがあるとの懸念を以前より表明している。
多くの未来学者はもっと人間に有益なAIの応用例を想像するが、Musk氏は折に触れて、懸念を表明してきた。AIに何らかの制限を課さなければ、1984年の映画「ターミネーター」で描かれたような、制御不能な脅威が人類にもたらされるかもしれない、とMusk氏は2014年、CNBCに懸念を述べた。
Teslaにコメントを求めたが、すぐに回答を得ることはできなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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