Netflixが、オリジナルコンテンツ制作でさらなる展開を仕掛けている。8月2日には、日本で初めてアニメーションに特化したイベント「Netflix アニメスレート2017」を開催。新作7本を含む全21タイトルのラインアップを発表した。
会場内でNetflixのチーフ・プロダクト・オフィサー(CPO)のグレッグ・ピーターズ氏は「日本のアニメは国内はもちろん、9割は海外で視聴されている。もっと成長するため投資とさらなる新規ユーザーを獲得していく」とコメント。「世界のラインアップの中でも日本のアニメはとても重要。アニメは日本で愛され、世界中のファンも魅力した。Netflixは、昔好きだった作品は見やすく、新しい作品は最高の環境で提供する。アニメは日本で今約50社のコンテンツプロバイダーと仕事をしていて、日本のクリエーターの創造性とクリエイティビティを世界に広げていく」と続け、日本市場におけるアニメコンテンツの重要性を訴えた。
一方で、コンテンツの高画質、高音質化においても先陣を切る。2015年9月のサービス開始時から配信を開始している「シドニアの騎士」は、2017年1月にHDR配信を実現。7月にはHDR画質で配信していたアニメ作品「BLAME!(ブラム)」のドルビーアトモス配信を開始した。
BLAME!は、原作弐瓶勉氏、制作はポリゴン・ピクチュアズとシドニアの騎士を手掛けたメインスタッフが再結集した作品。Netflixでは、5月20日に世界190カ国で配信をスタート。同時に日本では当初2週間限定での劇場公開予定だったが、最終的には約7週間のロングランを記録した。
BLAME!で副監督を務めたポリゴン・ピクチュアズの吉平"Tady"直弘氏は「Netflixで配信している『亜人』をはじめ、セル画で制作したアニメのような表現ができる3DCGの手法“セルルックCG”を活用した作品を、ポリゴン・ピクチュアズは世界のスタジオで最も多く制作してきた。その経験をいかし、さらなる新技術を投入して制作に取り組んだ」と話す。
制作期間は約1年半。ポリゴン・ピクチュアズが制作する「セルルックCGアニメーションは、画面の情報量が多く、一般的なアニメとは一線を画す仕上がりになっている。特に多灯ライティングの新技術『MANEKI』を導入したことで、セルルックCGの表現は一段と進化した」(吉平氏)と言う。
このような新しい手法を取り入れるのは、観客に対し、新しい提案をするというスタジオのポリシーのため。その思いは細部にまでおよび、BLAME!ではフレームレートをシーンごとにコントロールすることで独特の表現力を確保。またドキュメンタリータッチの映像を目指した亜人で使用したモーションキャプチャはあえて使用せず、手付けアニメーションのみで制作している。このように作品の特徴に合わせ最良の方法を取り入れながら作っているという。
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