フリマで買ったソファを運びたい--CBcloud、個人の需要に応える配車サービス

 CBcloudは8月9日、個人向けの配送プラットフォーム「PickGo for Personal」を開始したと発表した。

 チャーター便と言われる軽貨物自動車1車両を貸し切って配送するサービスで、個人が引越し事業者に依頼するほど荷物がない場合や、ソファなど大きさによっては宅配便では送れない、あるいは送れたとしても高額になるもの、複数の荷物をまとめて配送したい場合に便利だ。

 自身でレンタカーを手配したり運んだりする手間を抑えて配送できるほか、プロのドライバーが運んでくれる安心感がある。また、配送するドライバーと直接やりとりできるため、当日中の配送や一般的な運送会社では対応していない早朝・夜間帯なども柔軟に調整ができるのも特徴の一つだ。

個人向けの配送プラットフォーム「PickGo for Personal」
個人向けの配送プラットフォーム「PickGo for Personal」

料金は5000円から、家具の組み立てなどの付加サービスも

 配送を希望する依頼者は、PickGoアプリを通して「日時、行先、荷物量」などの依頼内容を入力する。するとPickGoに登録するドライバーに一斉配信され、ドライバーから配送料金が提示される。その中から依頼者がドライバーを選定することでマッチングが成立するしくみだ。

利用のおおまかな流れ
利用のおおまかな流れ
依頼に対するドライバーの提案
依頼に対するドライバーの提案

 最低提示料金5000円~で、配送料金に関してはPickGoドライバーと直接チャットで交渉できる。

 事前に依頼したい内容を細かく交渉することができるため、家具の組み立てや、デスクトップPCの設定ができるドライバーを見つけることも可能だ。配送とともにちょっとしたことを依頼できるドライバーを見つけられる。

 配送完了後には、依頼者とPickGoドライバーがお互いを評価するシステムを導入している。依頼者はドライバーが過去に受けた評価や提示された配送料金を比較しながらドライバーを選択できる。

目指すのはドライバーのワークスタイル変革

 このサービスの基部は、同社がこれまで手がけてきた企業向けの物流プラットフォーム「PickGo」が持つ1600名を超える登録ドライバーだ。PickGoに登録できるのは、事業用軽貨物を所有する個人。企業向けサービスは平日の日中の配送がメインであること、またドライバーがさまざまな時間帯や条件の配送依頼に対応できる環境が整ってきたため、個人向け配送サービスに拡大することにしたという。

活用の仕方はいろいろある
活用の仕方はいろいろある

 CBcloud 代表取締役の松本隆一氏は、「マッチングサービス自体は以前からあるが、PickGoのドライバーを個人事業主に特化しているのが最大の特徴。運送会社の場合は、電話で受け付けを通してドライバーと調整するため、即時性が失われがち。PickGoはドライバーしか登録できないため、ドライバーがリアルタイムに案件を判断し、レスポンスできる。企業が依頼をして、誰かがエントリーするまでに3分以内。これまでは、電話を使ったもので30分はかかると言われていた」と優位性を説明する。

 最近では、IKEAなどで購入したものを運んで、できれば組み立てまでしてほしい。フリマアプリの伸びを受けて、ソファを運んでほしい、あるいは忘れ物をとりにいってきてほしい、などさまざまなニーズが高まっているという。

 松本氏が目指すのは、ドライバーのワークスタイルの変革だ。「こうしてBtoB、BtoC、CtoCのサービスが出来上がると、ドライバーのワークスタイルが変わってくる。BtoBは稼ぎやすくても依頼の電話がいつかかってくるかわからず、収入が安定しない問題がある。ならば、単価は低いが生活を安定させるために宅配で一日12時間働こうという人も多かった」と背景を説明する。

 昨今、ドライバーの過重労働やドライバー不足が問題となっているが、「宅配便は、スーパー社員と言われる人でも配達できるのは一日100個ぐらいと言われている。配達をしても不在なら0円。引き渡した時に一個150円ぐらいが収入になるしくみ。今言われているように、料金の引き上げによって値上りしたとしても200円ぐらいだろう。どんなに頑張っても一日2万円の世界。そこからガソリン代を引いたりする。若者が『がんばってやろう』とはならない」と指摘する。

 そこで、「PickGo for Personal」というCtoCのサービスを取り入れることで、「昼間はBtoBの仕事、企業の需要が減る土日はCtoCの仕事など選べるようにしたい。配送業務に家具の組み立など自分が持つスキルで付帯業務を追加すれば収入も上がり、ユーザーから感謝される。プロが再評価されるしくみをつくり、ドライバーの付加価値向上、報酬増加につなげていきたい」と語った。

CBcloud 代表取締役の松本隆一氏
CBcloud 代表取締役の松本隆一氏

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