修理しやすいガジェットを増やしたいと考えるiFixitは、啓発活動の一環として2016年12月、その年に分解したスマートフォンのうち、修理しやすいモデル、修理しにくいモデル、注目モデルをまとめて発表した。より積極的な取り組みとして、環境保護団体のGreenpeaceが開始した、スマートフォンやタブレット、PCのメーカーに「地球に優しい製品」の開発を求めるキャンペーンへの協力も始めた。
このキャンペーンでは、Apple、Samsung Electronics、LG Electronicsに「修理しやすくて長く使える地球に優しい製品を作ってください!」という声を届けるための署名を募っている。そして、著名アニメ作品をモチーフにしたビデオを制作し、壊れにくく修理しやすいガジェットの大切さを訴えた。
汚染を防ぐために鉛(Pb)フリーはんだ(無鉛はんだ)の使用が広まり、欧州連合(EU)が特定有害物質の使用を禁止するRoHS(ローズ)指令を施行するなど、環境を守ろうという活動は徐々に成果を上げてきた。現在、欧州では「修理をする権利」を認める流れになりつつある。
Wiens氏は、社会をこの方向へさらにすすめるため、修理マニュアルの公開、部品の提供などをユーザーからメーカーに要求しよう、と呼びかけている。
iFixitの主な収入源は、修理に必要な工具や部品、そしてアップグレード用パーツの販売である。つまり、分解レポートと修理マニュアルを公開し、ツールやパーツを販売することで、企業として利益を上げつつ、ユーザーの活動と地球環境の保全を支援しているのだ。
KODAWARISANから着想を得て、2016年の「iPhone 7」発売時には分解を東京で実施するなど、何かと日本に縁のあるiFixitだが、日本での事業展開はまだ限定的。修理用ツールキットやアップグレード用パーツの本格的な日本向け販売は、これから本腰を入れたいということだ。
また、iFixitの公開している分解レポートには、ウェブブラウザ上で誰でも簡単に翻訳できる仕組みが用意されている。新たな分解レポートを投稿したり、既存のレポートを翻訳したりして、日本でもiFixitのファンを増やし、その活動を支援してはどうだろう。
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