Appleは先週末、中国における仮想プライベートネットワーク(VPN)アプリへの厳しい取り締まりが原因で、VPNアプリを中国の「App Store」から削除することを余儀なくされたという。Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏が米国時間8月1日、同社の決算に関するアナリストとの電話会見で語った。
7月29日より、AppleはVPNアプリの開発者に対して、それらのアプリが削除されたことを通知している。同社の通知によると、それらのアプリには「中国において違法であり、App Storeの審査ガイドラインに準拠しないコンテンツ」が含まれていることが理由だという。
Appleがメディアへの声明で述べたところによると、中国工業情報化部は2017年に入って、「VPNを提供する全ての開発者は中国政府から免許を取得しなければならないと発表」したという。
Cook氏は8月1日、より広範な視点を提供するコメントも出している。同氏はその中で、Appleは中国の規制に従わざるを得なかったと述べ、アプリの削除が永続的なものにならないことを願うと語った。
Appleが提供した筆記録によると、Cook氏は、「もちろん、われわれもできればアプリの削除などしたくはない。しかし、ほかの国々の場合と同様、当社は自分たちが事業を展開している国の法律に従う。われわれは意見が合わないときも、政府と関わりを持つことの価値を信じている」と述べたという。
「今回の件では、時間の経過と共に、制限が緩和されていくことをわれわれは期待している。なぜなら、技術革新には、コラボレーションとコミュニケーションの自由が本当に必要だからだ」(同氏)
何カ月も前から、中国はVPNを厳しく取り締まっている。VPNを利用すれば、「Great Firewall」と呼ばれる同国の悪名高いインターネットフィルタを迂回できるからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」