楽天とLIFULLは6月22日、共同出資する「RAKUTEN LIFULL STAY PTE. LTD.」(出資比率:楽天51%、LIFULL49%)の完全子会社として「楽天LIFULL STAY株式会社」を設立し、民泊事業に参入すると発表した。楽天の強固な顧客基盤とLIFULLの不動産データベースをいかし、民泊施設を提供したいホストと利用したいゲストをインターネットを通じて結び付ける、新たなプラットフォームを構築する。サービス開始は、住宅宿泊事業法案(民泊新法)の施行後、2018年1月ごろを予定。「Vacation Stay」(仮称)として宿泊仲介サービスを提供する。
70以上のサービスを展開し、9000万人以上の会員を持つ楽天の顧客基盤と、約800万件を掲載する不動産、住宅情報サイトを運営し、2万2000を超える不動産加盟店ネットワークを有するLIFULLの強みを生かすことで、民泊市場全体を盛り上げることが狙い。加えて、社会問題にもなっている空き家の増加を民泊事業により有効活用していく。
楽天副社長執行役員の山田善久氏は「宿泊の選択肢が増えることで、日本全体の活性化につながっていく。民泊環境を整えることで大きな経済効果が期待できる」とコメント。LIFULL代表取締役社長の井上高志氏も「海外旅行者の増加に伴う宿泊施設不足に対応できる民泊は、重要なマーケットであり、空き家という社会問題の解消にもつながる。全国で、快適なステイができるような在庫を開拓していくことから取り組んでいきたい」と話した。
楽天LIFULL STAYは3月に設立。「宿泊施設を提供したいオーナーと泊まりたいゲストをマッチングする。民泊は法整備がなかなか追いついてこなかったが、民泊新法の可決により整ってきた。一方で宿泊施設に空き家を活用することで、受け皿を増やし、さらに旅行需要を伸ばしていける」(楽天LIFULL STAYの代表取締役である太田宗克氏)と役割を説明。「顧客基盤を持つ楽天と、民泊物件を有するLIFULLがつながることで、強いシナジーが生まれる」と続けた。
楽天では旅行サービス「楽天トラベル」を運営しているが、Vacation Stayは別ドメインで運営。楽天トラベルとの具体的な連携は現時点では未定という。楽天ポイントの付与などについては「詳細は決まっていないが、楽天サービスの1つとして、IDやポイントの連携は考えている」(山田氏)とした。今後は海外におけるパートーナーシップの開拓を進め、海外のプラットフォームから送客してもらうことも考えているという。
宿泊可能施設については、将来的にはLIFULLが持つ800万件のデーターベースの内、5〜10%を民泊用にしていきたいとしている。また、民泊の懸念事項としてホスト、ゲストに対する保護については「加入は任意になるが保険を作っていきたい。場合によっては、ホストとゲストの仲介に入ることも考えている」(太田氏)とした。
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