Microsoftが「不正なやり方」でサードパーティーのアンチウイルス(AV)を削除しているとするKaspersky Labの主張に対して、Microsoftが見解を示した。
Kaspersky Labは6月、「Windows 10」によるサードパーティー製アンチウイルスの扱いに関する苦情を欧州委員会(EC)とドイツ連邦カルテル庁に訴えた。
主な苦情の1つは、Windows 10がユーザーの同意なしにKasperskyのアンチウイルスソフトをアンインストールして標準搭載の「Windows Defender」を有効化しているというものだった。
Kasperskyによると、このアンチウイルスソフトの切り替えは、「Windows」のメジャーアップデートの際、サードパーティーのアンチウイルス製品とWindowsの最新バージョンの間に互換性がない場合に発生するという。
今回Microsoftは、Kasperskyの苦情に対してより詳細な見解を示し、アンチウイルスベンダーを積極的に支援してきたと主張した。
しかし、MicrosoftのWindows & Devices Group, Security & Enterpriseのパートナーディレクターを務めるRob Lefferts氏は最新のブログ記事で、「Windows 10 Creators Update」が一時的とはいえ実際にサードパーティーのアンチウイルス製品を無効化していたことを認めている。
「われわれは、アップデート完了直後にアンチウイルスアプリの新バージョンをインストールするようユーザーに促す、アンチウイルスアプリ専用の機能を構築した。これを実行するため、われわれはアップデート開始時に、まずアンチウイルスソフトウェアの一部を一時的に無効化した」(Lefferts氏)
「われわれはアンチウイルスパートナーと協力して、このプロセスを行い、彼らのソフトウェアのどのバージョンが互換性を備えるのか、そして、アップデート後にユーザーをどこに誘導するのかを指定していた」(同氏)
Kasperskyの創業者Eugene Kaspersky氏は、Microsoftがいかがわしい方法を用いて、既にWindows 10 PCにインストール済みのサードパーティーのアンチウイルスではなく、「性能の劣る自社製品(Windows Defender)を強く宣伝」しているとして、同社を批判していた。
Kasperskyは2016年、同様の苦情をロシアの連邦反独占庁にも訴えた。これを受け、Microsoftはいくつかの変更を施したが、それでも十分ではなかったようだ。
Kaspersky氏はさらに、過去のWindowsのバージョンと比べると、アンチウイルスベンダーが自社製品に互換性を持たせるための時間がほとんどないと不満を述べた。ESETなど、ほかの複数のベンダーも「Windows 10 Anniversary Update」との同様の互換性の問題を指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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