MSDは5月30日、日本の糖尿病領域における医療課題を解決するためのビジネスプランを募集するコンテスト「Diabetes Innovation Challenge(ダイアビーティスイノベーションチャレンジ)〜糖尿病領域の医療課題に挑む〜」を開始すると発表した。
同コンテストは、同社のヘルステックプログラム(スタートアップ企業向けビジネス開発支援プログラム)の取り組みのひとつで、糖尿病領域における医療課題を解決するビジネスプランを募集し、日本の糖尿病治療への貢献および、糖尿病患者のQOL向上を目指す糖尿病領域に特化した企画となる。
応募期間は、5月30日〜8月31日。書類審査期間は、9〜10月。最終審査会・授賞式は、11月11日または、11月18日。応募対象者は、学生、会社員、事業者、起業家など(受賞式でプレゼンテーションが可能な人)。ただし、医療従事者は応募対象外となる。
課題テーマは、「健康診断等の検診受診率の向上」「糖尿病が疑われている人の医療機関受診率の向上」「糖尿病薬の服薬アドヒアランス(服薬遵守)不良の改善」の3つ。同コンテストでは、これら3つのテーマの中から、いずれか1つを解決するビジネスプランであることが条件となる。
審査員は、糖尿病専門医、Venture Capital代表、MSD執行役員など。審査員が応募者と利害関係を有する場合は、審査を辞退し、審査に加わらない。
審査・評価基準は、医療課題解決への貢献度、原因・要因分析能力、実現可能性、費用対効果、熱意、情熱、独創性・斬新性。
同社によると昨今、生活習慣と社会環境の変化に伴い、日本の糖尿病患者および、予備群は日本人の5人に1人と増加の一途をたどっているという。
糖尿病は、発症すると完治が難しく、また、自覚症状がないまま病状が進行することが多い。しかし、日本における健康診断や人間ドックの未受診率が男性約27.8%、女性約37.1%であり、早期発見が十分にできる状況ではない。さらに、健診などで糖尿病または糖尿病予備群として診断された人の約4割が、医療機関へ再受診をせず治療を開始できていない。糖尿病治療を開始したとしても、「経口血糖降下薬」の服薬継続率は、半年後には53%程度という報告もある。
そこで「Diabetes Innovation Challenge」では、「健康診断等の受診率の現状」「糖尿病が疑われている患者さんの医療機関受診率の現状」「糖尿病薬の服薬アドヒアランス(服薬遵守)の現状」のうち、いずれかの医療課題を解決し、日本の糖尿病治療への貢献および、糖尿病患者のQOL向上に繋がるビジネスプランを募集する。
コンテストの最優秀賞・優秀賞受賞者は、今後のビジネス化へ向けたMSDによるメンタリング提供(期間2〜3カ月)やその他支援が受けられる。
MSDによるメンタリング提供では、ヘルスケア業界での経験が豊富なMSD社員によるメンタリングの実施や、医師や医療機関へのコンタクトチャネルの提供。さらに、ヘルスケア業界の専門的知識の供与および、規制に対する正しい理解のための知識の供与(ヘルスケア業界の課題、医療従事者や患者さんの視点や傾向など)。
また、その他支援としては、ニーズに合ったアイデアに対して、審査員であるベンチャーキャピタルが保有している「経営ノウハウ」、「人的ネットワーク」を活かした、経営の支援を受けられる可能性がある。ただし、必ずしもビジネス化が実現されるものではない。
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