ランサムウェアの「WannaCry」は、「Shadow Brokers」を名乗るグループの存在なくして、これほどまでに被害を拡大させることにはならなかったはずだ。そして、このハッカー集団の関与が再び表面化した。
WannaCryの被害は150カ国で最大30万件に及び、病院、学校、企業のデバイスをロックして、身代金の支払いを要求した。バージョンの古い「Windows」の「Server Message Block」(SMB)の脆弱性を利用し、感染したPCのネットワークに侵入することにより、ごく短時間のうちに自らを拡散させることができた。
Shadow Brokersは米国家安全保障局(NSA)のハッキングツール群を盗み出し、攻撃に使われた「EternalBlue」を世界中に流出させた。Shadow Brokersは米国時間5月16日、NSAをはじめ世界に向けて、「今後さらに多くのツールが流出する」との警告を発した。
Shadow Brokersは16日、ウェブサイト「Steemit」に掲載した公開書簡で次のように述べた。「TheShadowBrokersは6月、『TheShadowBrokers Data Dump of the Month』サービスを発表する。毎月ワインを発送する会費制サービスのように」。会費を払う会員に対し、ハッキングデータやツールを毎月提供するという。
Shadow Brokersは、現在も米国のサイバーツール群の75%を有すると主張しているという。さらに、ブラウザ、ルータ、電話の脆弱性を突くこれらのツールや、ロシア、中国、イラン、北朝鮮から流出したネットワークデータを提供する可能性もあるとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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