多数のデバイスが、「Android」の公式アプリストアである「Google Play」からダウンロードしたマルウェアに感染していたことが明らかになった。
このマルウェアはボットネットを構築し、モバイル用のアドウェアを表示する。
「FalseGuide」(偽ガイド)と名付けられたこのマルウェアは、Check Pointのセキュリティ研究者が発見したもので、「Pokemon GO」や「FIFA Mobile」などを含む40種類以上の有名ゲーム用コンパニオンガイドアプリに隠されていた。もっとも古いものは、2017年2月14日からGoogle Playにアップロードされていたという。
これらのアプリのいくつかは5万回以上ダウンロードされており、60万を超えるデバイスで、ユーザーがゲームガイドを入手しようとして、間違ってマルウェアをダウンロードしたとみられる。
FalseGuideのボットネットは、モバイル用の悪質なアドウェアを表示させることを目的としたものだ。不正なポップアップ広告をダウンロードして表示し、それをクリックさせることで、作者が収益を得る仕組みになっている。
このアプリは、デバイスにダウンロードされるとデバイスの管理者特権を要求し、この特権を使用してユーザーがアプリを削除できないようにする。
FalseGuideの作者はこのアプリを広告詐欺に使用しようとしているが、指令サーバから別の命令モジュールを受信することも可能で、技術的にはデバイスを乗っ取ったり、DDoS攻撃を実施したり、プライベートネットワークに侵入したりすることにも使用できるという。
Check Pointは、マルウェア開発者がゲームガイドアプリを選んだ理由の1つに、単にアプリが人気であることを挙げている。
Check PointはGoogleに対して、2月にマルウェアに関する情報を通知しており、GoogleはただちにこのアプリをPlay Storeから削除した。その後も攻撃者の活動は続いており、4月以降にも同様のアプリがアップロードされている。これらのアプリも、すでにCheck PointがGoogleに通知して削除されたという。
FalseGuideは現在Play Storeから削除されているものの、すでにかなりの数がインストールされており、このアプリに関する注意喚起も行われていないことから、ボットネットは現在も機能している可能性が高い。
編集部注:Check Pointが米国時間4月24日に発表した追加情報によると、このマルウェアを含むさらなるアプリが2016年11月頃からGoogle Playでダウンロード可能な状態になっていた。感染したユーザーは200万人近くに達すると予想されるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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