西側諸国は、ロシアの攻撃的な「虚偽ニュース」エンジンに対抗する計画だ。
米国と英国を含む、北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の複数加盟国は、ネット上の脅威に対抗する拠点をフィンランドの首都ヘルシンキに設置することで合意した。従来型のサイバー攻撃に加え、偽情報やプロパガンダの拡散などの新たに台頭してきた脅威に対抗することが目的だ。
ヘルシンキで現地時間4月11日に発表されたプレスリリースによると、英米のほか、フランス、ドイツ、スウェーデン、ポーランド、フィンランド、ラトビア、リトアニアが調印した。
この取り組みは、非軍事的な、いわゆる「ハイブリッド型脅威」に対抗するものだ。NATOの説明によると、ハイブリッド型脅威とは、軍事的攻撃を補完する方法として、「政治、外交、経済、サイバー、偽情報の諸手段」を仕掛けるものだという。今回の調印の数カ月前には、ロシアが、米国大統領選挙の候補者を妨害する目的で民主党のサーバをハッキングすることにより、選挙に影響を及ぼしたとして非難された。
ロシアはこうした攻撃への関与を否定した。
しかし、3月に実施されたオランダの総選挙に加えて、フランスとドイツで近く行われる選挙でもロシア政府が干渉を試みる可能性があるとして欧州当局が注意を促すなか、ロシアによるプロパガンダに対抗する取り組みを強化する気運が生まれた。
かつて占領されたロシアと国土が接するフィンランドも、ロシア政府が自国民にプロパガンダ攻撃を仕掛けているとして非難している。
加盟国は専門家を派遣し、約10人のチームを構成する予定だと、Reutersは報じている。NATOによると、この専門家グループに期待されているのは、ハイブリッド型脅威に対する問題意識を喚起することや、各国が虚偽ニュースや偽情報に事実と真実で対抗するのを支援することだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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