ヤフーは4月5日、慶應義塾大学SFC研究所の徳田研究室、大越匡大学院政策・メディア研究科特任講師らのグループと共同で、スマートフォンのプッシュ通知への反応を改善するビッグデータ・AI研究の成果を発表。3月に開催されたユビキタス領域のトップカンファレンス「IEEE PerCom 2017」において、トップ3に入る論文として採択されたと発表した。
同研究では、スマートフォンから得られる身体動作(自動車移動、自転車移動、徒歩移動、静止、端末を傾けるなど)のビッグデータとAIを用いた解析により、プッシュ通知が開封されやすいタイミングを予測。その予測をベースに「Yahoo! JAPAN」アプリの一部ユーザー(約68万UU)をランダムに選出して検証したところ、通知を開封するまでの反応時間が平均49.7%短縮され、開封数が最大約5.5%向上したという。
スマートフォンのプッシュ通知は、アプリ提供者が提供するコンテンツを利用してもらうためのトリガーになるほか、IoT時代におけるタイムリーな情報提供手段としても注目されており、学術研究としても活発な分野だという。
同社によると、IEEE PerComは、ユビキタス領域において「UbiComp」と双璧をなすトップカンファレンスであり、IEEE PerCom 2017では、194本の論文が世界中より投稿されたが、審査を通過して発表の機会を得られた論文は28本にとどまる。今回TOP3に選ばれたことは、同研究がユビキタス領域において国際的な評価を得られたことだとしており、ヤフー初の快挙だとしている。
なお、ヤフーは、2015年4月にデータを専門的に扱う社内横断組織として、データ&サイエンスソリューション統括本部を設け、社内の各カンパニーに散らばっていたデータと人財を集約。同社では、トップカンファレンスへの参加を積極的に促しているほか、Yahoo! JAPAN研究所をハブとしたデータサイエンス研究の結果として、近年トップカンファレンスの採択数が急増しているという。
同社では今後、開封数にとどまらず、好意的にコンテンツを楽しんでもらえたかどうかを計測する研究を深めることで、ヤフーの各アプリに研究成果を実装することも検討するという。
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