米大手インターネットサービスプロバイダー(ISP)は米国時間3月31日、議会でプライバシー保護規則を撤回する法案が可決されたにもかかわらず、顧客のウェブブラウジングデータを販売する計画はない考えを表明した。
Verizon、Comcast、AT&Tは、ISPによる消費者の個人情報販売を禁じる連邦規制が議会投票で破棄されたことを受けて、それぞれ声明を出した。
Comcastでシニアバイスプレジデントを務めるGerard Lewis氏は声明の中で、「われわれは、最初に顧客からオプトインによる肯定的な同意を得ない限り、個人情報(銀行取引、子供、健康に関する情報など)を共有しないと約束してきた」と述べている。同氏はComcastのプライバシー規約について、「今週、話題の中心になったこの個人情報の保護よりも厳しいものだ」として、次のように主張した。「顧客が、機密でない他のデータを利用したターゲット広告の送信を望まない場合、われわれは顧客がそのようなターゲット広告を受け取ることからオプトアウトできるようにしている」
Comcastはプライバシーポリシーも改訂する計画だという。Lewis氏は改訂の狙いについて、顧客が肯定的にそのような合意にオプトインしない限り、Comcastは顧客個人のウェブブラウジング情報を販売したり、機密情報を共有したりしないことをより明確にするためだとしている。
Verizonで最高プライバシー責任者を務めるKaren Zacharia氏も、次のように明言した。「Verizonは顧客の個人的なウェブブラウジング履歴を販売しない。とにかくやらない。肝心なのはその点だ」
Zacharia氏によると、Verizonがウェブブラウジングデータを使用しているプログラムは2つだけだという。特定のグループの顧客を対象に「匿名化された情報」を使用する広告プログラム「Verizon Selects」と、顧客に関するインサイトを集約して提供するプログラムだ。どちらも、顧客は参加するかどうかを選択できるとZacharia氏は述べている。
AT&Tでシニアエグゼクティブバイスプレジデントを務めるBob Quinn氏は、同社における消費者保護策について具体的には説明しなかったが、この問題に対するAT&Tのアプローチは「データの性質を重視し、収集について一貫性のある枠組みを用意する」ことだと述べた。Quinn氏は、AT&Tと他のISPは今後も通信法(Communications Act)によって管理されると述べるとともに、議会における投票を「賞賛に値する取り組み」と呼んだ。
これらの企業は、現時点で個人のウェブ履歴を販売する計画はないと主張しているが、プライバシー擁護派は、議会での規制撤廃可決によってISPは顧客の位置情報、健康、資産状況などの情報を収集し、販売する選択肢を得ることになると警告している。
この法案は現在、Donald Trump大統領の署名を待っているところだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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