「DeNAは儲け主義だと言われ反省した」--守安氏と南場氏が改めて謝罪 - (page 2)

キュレーション事業の今後については「全くの未定」

 キュレーション事業の今後については、南場氏いわく「正直まったくめどが立っていない」という。再開を求める声も問い合わせ窓口に寄せられており、「サービス事業者としてその気持ちはありがたく、またテーマをバーティカルに区切った情報提供のニーズもあると思う」とのことだが、もし新しいサービスを検討したとしても、現状の物とは異なる形になるという。「専門家に聞けば聞くほど奥の深い分野。未経験者が形だけ整えてできるものではない」と述べた。


DeNA創業者で、同社代表取締役会長兼執行役員の南場智子氏

 人事面では、ペロリ代表取締役の中川綾太郎氏およびiemoとFind Travel代表取締役の村田マリ氏が辞任を表明している。南場氏は、「二人の事業のリーダーは大変に一所懸命、誠心誠意事業に打ち込んでいたし、第三者委員会にも協力的だった。何かを企むような二人ではないし、むしろ有能な若者を正しく導けなかったDeNAの責任は極めて重いと思っている。ずっと私たちが背負っていかなければならない責任だと思う」としている。

 一方、「私としても非常に辛い決断だったが、事業責任者に厳しい処分を下すことで、これだけのコンプライアンス違反を犯すことはとても重いことだと社内外に徹底する必要がある。揺らいではいけないという思いで実施した」と述べた。両者は今のところ人事部付けでDeNAに籍を置くことになるという。今後どういった役割を担うかはまだ未定としつつ、今回と同様のサービスには携わらないという。

 また、報告書が出るまでの3カ月間、守安氏自身の進退も検討したという。南場氏は「どうやって今後のDeNAを作るかずいぶんと悩んだ。守安自身が代表として継続するべきかについても取締役会で議論した。守安は事業を推進する立場なので責任は重いが、今回の実態を認識した時点で適切な指示を出したと報告書で述べられている。ほかの事業を全うする責任もあり、守安を除いた取締役会全員一致で続投が決まった」とした。

コピペ記事を量産するようになった背景

 どうして、記事や画像の盗用などが常態化してしまったのか。それにはいくつかの要素が見られる。iemoやペロリの買収にともない入社した新しい社員と、守安氏や既存の社員、コーポレート部門、現場の人たちとのコミュニケーション不足が起きていたこと、守安氏がDAUや時価総額などで高い数値目標を掲げていたこともあり、目標達成のため現場にしわ寄せがきていたことなどが挙げられる。

 第三者委員会が10サイトの担当者の聞き取り調査を実施したところ、もともと記事のコピーアンドペースト(コピペ)を推奨する意図はなかったものの、DeNAが記事を量産する方針に傾倒しはじめたことで高い記事数目標を各担当者に課すようになっている。各メディアの担当者は、ライターの数を増やしたり、外部編集ディレクターに記事構成から確認までを依頼することもあったという。

 問題の発端となったWELQでは、そうした外部編集ディレクターとの会議が実施された形跡が見られず、当初実施していた記事内容の確認もその後手薄になっている。WELQでは記事の大量生産に邁進し、多い時には月間の公開記事数が約3300本に達していた。ライターに対して記事本数目標などが求められ、“コピペに見られない”ための記事作成マニュアルも存在したことから、委員会の調査ではWELQのライター18人中8人がコピペを推奨するような印象を持ったと回答している。

 レポートでは「数値偏重から公正な稼ぎ方へ」と指摘されている通り、守安氏の高い目標設定も一つの要因と考えられる。守安氏は、「これまでは、業績が達成できなかったらどうするかを中心に議論していた。お客様に価値がきちんと提供できているのかを確認してから、業績などの議論する、順番や重みを変えていかないといけない」と述べた。

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