コロンビア大学とニューヨークゲノムセンター(NYGC)の研究者らが、「DNA Fountain」と呼ばれる新しいコーディングシステムを考案した。DNA Fountainは215ペタバイトのデータを1gのDNAに記録することができるという。
Science Dailyの報道によると、これはスマートフォンで動画をストリーミングするためのアルゴリズムをカスタマイズすることで達成されたという。
DNAは従来のストレージシステムと比べて記録密度が高く、有望なデータストレージと考えられている。適切な環境で保管すれば、何千年にもわたって情報を保存することも可能だ。
コンピュータの情報は1と0で記録されるが、研究者らは、DNAを構成するアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4つの塩基に対応するようにデータをエンコードするさまざまなアルゴリズムを考案してきた。Microsoftは2016年、この方法を使って、音楽の動画を含む200MバイトのデータをDNA鎖に保存することに成功したという。この容量は当時、新記録だった。
DNA Fountainは、コロンビア大学のコンピュータサイエンス准教授のYaniv Erlich氏(NYGCの主要メンバーでもある)とNYGCのシニアアソシエイトサイエンティストのDina Zielinski氏によって考案された。
Erlich氏とZielinski氏がDNAに書き込んだ2Mバイトの圧縮ファイルには、「KolibriOS」や昔のフランス映画、50ドルのAmazonギフトカード、コンピュータウイルス、パイオニア探査機の金属板が含まれる。さらに、ベル研究所の情報理論学者Claude Shannon氏による情報の伝送におけるエンコードやノイズ、デコードに関する先駆的な研究に敬意を示し、Shannon氏が1948年に発表した論文「A Mathematical Theory of Communication」も記録された。
研究者らが指摘するように、この研究でDNAストレージは1Mバイト当たり3500ドルの費用がかかったという。しかし、DNA合成手法の改善などにより費用を縮小できる可能性があるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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