「KEYone」はBlackBerryブランドの大規模な巻き返しを図るスマートフォンであり、数カ月前から話題になっていた。「Android」をベースとして、その上でBlackBerryソフトウェアが動作するが、他の2017年モデルのAndroidスマートフォンにはまず見られないユニークな特徴を備えている。物理キーボードと、そこから実行できる52種類のショートカットなどだ。
KEYoneは、長年のBlackBerryファンの希望である同ブランドの復権に挑んでいる。これまでに明らかになったKEYoneの一連の機能は印象的だが、その完成度を評価するには、もうしばらく時間をかけてテストする必要があるだろう。
そのうえ、ハイエンドに位置付けられるKEYoneは、より強固な基盤を築いたメーカーとの激しい競合も覚悟しなければならない。サムスンから近々発表される「Galaxy S8」やLGの「LG G6」、Googleの新型「Pixel」といったライバルが待ち受けているのだ。これらが一斉に揃うときが待ち遠しい。
物理キーボードはBlackBerryのトレードマークだ。KEYoneでの文字入力は、筆者の小さな指でさえ少し窮屈に感じられた。とはいえ、QWERTYキーボードが実際に押し戻してくる感触は久しく味わっていないので、これは覚え直しが必要なスキルなのかもしれない。やはり、キーボードが手狭なのは、タッチスクリーンのサイズを最大限に確保するための代償だ。キーボードをもっと縦に長くしたら、4.5インチの画面を搭載できなかっただろう。
KEYoneのキーボードは静電容量センサにもなっているため、文字を入力できるだけでなく、ボタンの上を左右にスワイプして、ホーム画面を切り替えることなどもできる(指先で少し変な感じがするが)。また、任意のキーに長押しや普通押しを割り当てて、アプリの起動やショートカットに利用できる。合計で52種類の割り当てが可能だ(がんばって全部覚えよう)。「I」は「Instagram」、「Y」は「Yelp」というように、アプリの割り当ての提案までしてくれる。
指紋リーダーはスペースキーに組み込まれており、筆者のテストでは良好な動作だった。
割り当てたアプリを起動できるConvenience Keyが気に入った。KEYone本体の右端にあるボタンで、Google音声検索やカメラなど、よく使うアプリを開くことができる。
サムスンの「Edge」シリーズスマートフォンと同様に、どの画面でも引き出せる小さなタブがある。ここで開くモジュールによって、近い予定やタスクが表示されるほか、最近のメッセージを見ることができる。設定メニューもあり、そこからタブのサイズ、配置、透明度をカスタマイズできる。
生産性を重視する伝統に立ち、ショートカットアイコンがホーム画面の1つにまとめられており、新しいメモやカレンダー上の予約など、必要なものを開けるようになっている。
BlackBerryファンなら、「BlackBerry Messenger」(BBM)が統合されたメッセージ受信ボックス「BlackBerry Hub」や、スマートフォンのセキュリティプロトコルを確認できる「DTEK」アプリを見て喜ぶことだろう。KEYoneは「BlackBerry Enterprise Server」(BES)と連携する。BlackBerryブランドは一般ユーザーだけでなく、企業や政府機関にも同スマートフォンを訴求しているからだ。
KEYoneは4月に549ドルで発売される予定だ。
米国の大手4キャリアすべてが取り扱う予定だが、当初はBlackBerryMobile.comなどのオンライン小売店のみでの販売となる。カナダでは、キャリア各社が先に販売する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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