Qualcommがモノのインターネット(IoT)戦略を強化する。同社は米国時間2月21日、GoogleのIoT向けOS「Android Things」をサポートし、Amazon Web Services(AWS)との連携を進めることを明らかにしたほか、多くの規格を集約するシステムオンチップ(SoC)2製品を発表した。
「QCA4020」および「QCA4024」という2つのSoCは、Bluetooth Low Energy 5、デュアルバンドWi-Fi、ZigBee、Threadなどの規格に対応する。開発の面で、Qualcommの新システムがデフォルトでサポートするのは、Appleの「HomeKit」、Open Connectivity Foundation(OCF)のIoT標準規格、AWSのIoTソフトウェア開発キット(SDK)、Microsoftの「Azure IoT Device SDK」などだ。
Qualcommはバルセロナで開催されるMobile World Congress(MWC)で、新しいSoCの概要を説明する。これら2製品のサンプル出荷を2月21日に開始し、2017年下半期に量産開始する予定だ。
これとは別に、Qualcommは他社に先駆けて、4G LTE対応プロセッサで新たにAndroid Thingsをサポートすると述べた。QualcommがAndroid Things初対応を目指すのは、X5 LTE対応モデムを備えたプロセッサ「Snapdragon 210」だ。同社は、2017年中に予定しているAndroid Thingsのサポートについて、「Google Cloud Platform」にも対応する計画だと述べた。
これらの取り組みから、Qualcommの意図はすぐにわかるだろう。スイス製アーミーナイフのように、どんなIoT導入にも対応できる万能プロセッサを目指すということだ。現在、スマートホーム、スマートシティ、IoTをめぐる環境が全体として分散化しており、さらなる統合が求められている。そうした状況で、NXP Semiconductorsの買収を通じて事業の多角化を進めているQualcommは、顧客を獲得できる可能性が高いと言えそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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