カドカワは2月9日、動画共有サービス「niconico」の有料プラン「プレミアム会員」の会員数が、サービス開始以来初めて減少したことを発表した。これは、同社の2016年度第3四半期決算で明らかにされたもので、2016年12月末時点での会員数は252万人となる。
カドカワの2016年4~12月期の連結決算は、売上高が1504億2800万円(前年同期比3.0%増)、営業利益が73億8800万円(同17.5%増)、経常利益が75億6500万円(前年同期比0.6%減)、純利益は55億8500万円(同4.9%増)だった。
niconicoを運営するウェブ事業の売上高は、234億7600万円と前年同期比で5.4%減。セグメント利益(営業利益)は23億6700万円で、前年同期比39%の減少となった。同社では、「ニコニコ超会議2016」のコンテンツ制作費が前回を上回ったこと、高画質化やインフラの再構築、HTML5対応のための費用を減益要因として挙げている。
一方、「ニコニコチャンネル」の有料登録者数は60万人を突破し、収益を下支えしているほか、音楽配信サービスのドワンゴジェイピーでは、ジャニーズ事務所所属アーティストや世界的なヒット動画、テレビドラマの楽曲配信が人気を集め、想定を上回る利益を計上したとしている。
出版事業では、「Re:ゼロから始める異世界生活」、「文豪ストレイドッグス」、「この素晴らしい世界に祝福を!」などのメディアミックス作品のほか、映画「君の名は。」の関連書籍が好調。 雑誌関連では赤字幅が縮小したほか、電子書籍関連も好調に推移した。売上高は825億7900万円(前年同期比7.3%増)で、セグメント利益は61億5100万円(同59.3%増)だった。
映像・ゲーム事業では、映画「君の名は。」の配給収入が大きく貢献したほか、「ARIA The ORIGINATION」などのアニメ作品を中心にパッケージ販売も堅調に推移。「文豪ストレイドッグス」、「NEW GAME!」など、海外でのライセンス販売ビジネスも伸びている。また、コンシューマーゲーム「DARK SOULS Ⅲ」の販売収入や、アプリゲーム「スターリーガールズ」の開発受託関連収入が貢献。売上高は322億3500万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は26億7100万円(同69.9%増)となった。
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