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なぜ男子中高生はSNSに嘘やデマを投稿するのか? - (page 2)

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何もしないと注目されづらい男性

 自ら意図的に語ったわけではないが、結果的に周囲の誤解を解かなかったという大学生がいた。有名なお洒落系レストランの前を通りかかり、雰囲気があったので入口の写真を撮ったところ、とても良い写真になった。何気なくTwitterで投稿したところ、「えっ、ここに行ったの。すごい!」「デート?いいなー」などのコメントが多数付き、本当は行っていないと言い出しづらくなり、曖昧にごまかしたという。

 「誤解からだけど、他人から羨ましがられるのはちょっと気分よかった。他人の写真とかをパクって自分のことみたいに投稿する人の気持ちも少し分かる」と言っていた。大学生はお金もないし、そうそうどこかに行けるわけでもない。そんな中で、SNSには投稿するネタが求められる。周囲からの反応もほしくなる。

 「いいね」ではないが、リツイート数にハマっていたと教えてくれた男子学生もいた。一度、たまたま著名人にツイートを拾われて、すごい数のリツイートをもらい、それ以来Twitterにハマった。「リツイートは気持ちいい。みんなが自分のツイートを認めたということだから」。

 最初は自分で考えたネタツイートを投稿していたが、いくら投稿しても「いいね」やリツイートが伸びないため、とうとうパクツイに手を出した。人気のツイートを探し出してコピペしたものをツイートすると、面白いように「いいね」やリツイートが伸び、やめられなくなってしまったそうだ。そのうちフォロワーも増えたが、ある時にパクツイを見つけたツイート主に責められ、炎上しそうになってアカウントは閉鎖してしまったそうだ。

 デマを投稿したり、アルバイト先の店の食べ物を粗末にしている写真を投稿して炎上したりしたユーザーには、男性が多かった。不正アクセスやアカウント乗っ取りなどに手を染めて逮捕されるのも男性の割合が多いようだ。

 10代の若者はまだ何者でもないため、承認欲求が強く暴走しがちであることは、これまでも繰り返し述べている。若い女性は若いだけでちやほやされるため、制服での自撮り写真などを投稿したり、露出の多い服装をする傾向にある。反応がほしくて、自ら「JK」「JC」などとつけて自撮り写真を公開している女子中高生ユーザーは非常に多い。

 一方の男性は何か目立つことをしなければちやほやされることはない。そこで言動が過激化したり、事実ではない内容を投稿したりしてしまうというわけだ。

実生活で承認が得られる行動を

 mixi時代、成人男性が、「気合い入れて書いたのに、◯さんの足あとつかないなー」と言っているのを聞いたことがある。その人は、◯さんにすごいと思われたかったのだ。飲み会で他の成人男性が、「他の人と比べてあまり反応がつかないからやる気なくす」と言っていたこともある。男子中高生の感覚は特別なものではない。大人世代は中高生とは違い、問題行動に走ることがあまりないだけだ。

 承認されたい気持ちは理解できる。しかし、ソーシャルメディア上で承認されることに本当にそれほどの価値があるだろうか。ソーシャルメディアでいくら「いいね」やリツイートを獲得しても、その時だけのものだ。本当に大切なのは、実社会において、自分自身や行動自体が評価されることだ。

 社会で承認が得られるためには地道で長い努力が必要となる。保護者は中高生が目先の数字にとらわれて時間を無駄にすることなく、将来につながる努力ができるよう、見守ってあげてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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