AppleのQualcommに対する法廷闘争が、米国外にまで拡大した。
米国時間1月25日、AppleがQualcommを相手取り中国で2件の訴訟を起こしたと、Reutersが北京の知識財産権法院によるプレスリリースを基に報じた。
第1の申し立ては、Qualcommが「半導体業界での強い影響力を乱用」し、中国の独占禁止法に違反したというものだ。Reutersによると、Appleは10億元の損害賠償を請求している。
第2の申し立ては、携帯電話の標準必須特許を広くかつ安価に提供しなかったとしてQualcommを訴えたもので、裁判所に対し、QualcommとAppleの間の特許ライセンス規約について判断を求めている。
Qualcommは、まだ訴状を見ていないが知識財産権法院のプレスリリースは確認したという。同社のエグゼクティブバイスプレジデントで法務顧問のDon Rosenberg氏は、以下のようにコメントした。
「Appleの中国子会社によるこれらの訴訟は、Qualcommのテクノロジをより安価で利用する方法を見つけようとするAppleの試みの一環だ。(中略)Qualcommは世界のあらゆる場所で自社のビジネスモデルを守る準備ができている。われわれは自社の発明によって、モバイル通信エコシステムの発展と成功に貢献してきた歴史を誇りに思っている」
Appleにコメントを求めたところ、Qualcommに関する20日の声明を参照してほしいとのことだった。その声明の一部には、以下のように書かれていた。「Appleはイノベーションを深く信じており、使用する特許に対する公正で合理的な料金を支払う姿勢を常にとってきた。当社に対するQualcommのビジネスのやり方に非常に失望しており、何をもって公正で合理的な特許料とするのかについて何年にもわたって合意できなかったことから、残念ながら提訴する以外に方法がない」
今回の中国での訴訟の数日前、Appleは米国でQualcommを提訴している。約1週間前には、Qualcommがライセンス料の引き下げと引き替えに同社のチップだけを使用することをAppleに強要したとして、米連邦取引委員会(FTC)がQualcommを提訴した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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