三菱地所のベンチャー支援施設「GBHT」--“老舗エリア”を選んだ理由

山川晶之 (編集部)2017年01月31日 09時00分
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 ベンチャー企業やスタートアップ企業を支援する取り組みは、企業や自治体など各地で広まりつつある。大手不動産会社の三菱地所も、ベンチャー企業向け施設「グローバルビジネスハブ東京(GBHT)」を大手町に開設し、海外の成長企業や国内の先端ベンチャー企業を支援している。

「グローバルビジネスハブ東京」
「グローバルビジネスハブ東京」

 GBHTは、大手町フィナンシャルシティグランキューブの3階に位置し、約824坪のスペースに家具付きオフィスが51区画、最大200名が収容可能のイベントスペース、全14室の会議室、共用ラウンジなどを完備。

 内装は、「CITY CAMPING」をコンセプトに、西海岸のシリコンバレーをイメージ。全体的にカジュアルな雰囲気が漂う。7月のオープン時点で42のスタートアップが入居しており、現在は44社(海外26社、国内18社)と、すでに区画がほぼ埋まってる状態だという。

オフィスエリアの様子
オフィスエリアの様子
共用ラウンジ
共用ラウンジ

 三菱地所では、GBHTと同様の施設として、新丸の内ビル内にある「EGG JAPAN」を2007年にオープン。GBHTはスタートアップ支援施設の第2弾となる。大手町という場所柄、金融関係や老舗企業などが多く集まる日本屈指のビジネス街であり、 ベンチャー企業がオフィスを構えるイメージはあまり浮かばない。三菱地所は、どういった狙いからこのエリアにベンチャー企業支援施設をオープンさせたのか、同社広報担当者に話を聞いた。

ベンチャー企業と大企業のハブになる「大手町」

――GBHTの立ち上げに至った背景を教えてください。

 2007年に、日本のベンチャー企業のビジネス開発支援の拠点として新丸ビルに「EGG JAPAN」を開設しました。開設当初は日本のベンチャー企業をターゲットとしていましたが、日本だけではなく、海外の成長企業の日本進出にも同じプラットフォームが使えるのではないかと、2013年頃から本格的に海外支援も始めました。

 東京を世界一ビジネスがしやすい街にするという国際戦略総合特区に東京都心部が指定されたこともあり、そうした機能をより強化すべく、大手町の連鎖型開発の3次計画において、都市再生特別地区制度における都市再生に資する施設として、再開発エリアに世界から日本に進出する企業等の支援拠点として整備したのが、「グローバルビジネスハブ東京」です。

――なぜ、GBHTの立ち上げ場所として大手町を選んだのですか。

 大手町を含む丸の内エリアは、金融や伝統的な日本の大企業が本社を構えているイメージがありますが、先進的なサービスを提供する国内外の成長企業を誘致することで、新たなオフィス需要の獲得はもちろん、多様な価値観を有する企業・ワーカーが集うことによるビジネスエリアとしての活気の増大を目指しています。それだけでなく、新たなビジネスを生み出すプラットフォームへの発展も考えています。

――ベンチャー企業が大手町にオフィスを構えることで、どのようなシナジーが生まれると期待しますか。

 三菱地所は、大手町を含む大丸有エリアに30棟のビルを保有し、エリアには4300の事業所と28万人の就業人口があります。特に「フォーチュンGLOBAL 500」の日本企業本社が17社、上場企業も90社以上立地しています。日本を代表する大企業の集積地であり、海外成長企業や国内ベンチャー企業にとってもビジネスを拡大しやすい環境が整っていると考えています。

 グローバルビジネスハブ東京は、EGG JAPANで培ったビジネス開発支援のノウハウや三菱地所のネットワークを使った広報支援活動や潜在顧客の紹介、イベント参加機会提供などのビジネス支援の提供をコンセプトにしています。特にBtoBサービスを提供するベンチャー企業には、三菱地所が所有するビルに入居している大手企業を紹介するなど、新たなビジネスチャンスを提供できると思います。

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