たった「3語」で伝わる英語というと、それほど語彙力のない人でも簡単な英語で伝わる話かと思ってしまうかもしれない。だが本書は、むしろ英語をきちんと勉強してきて、文法の知識もある上に、ある程度の長文も読めるし書ける、という人にこそ必要なことを教えてくれている。英語力を駆使して、日本語の文章をそのまま英訳してしまいがちな人は必読だ。
著者は、特許翻訳/技術翻訳に携わってきたテクニカルライティングのエキスパートである。テクニカルライティングでは、相手に誤解を与える余地のない、シンプルで明解な英語を書くことが求められる。しかし、日本人が書きがちな英語は、文章の最後にならないと、何を伝えたいのかが分からなかったり、回りくどい言い回しになっていたりと、素早く確実に相手に伝わる文章になっていないことが多いのだという。本書では、あいまいで冗長な英文を修正することで、スッキリと、相手にすぐに分かってもらえる英文にしていく。そういう英文は、だいたい3語で成り立つのだ。
読めば「なんだ、それでいいのか!」と、楽な気持ちになれるはずだ。重要なことは、その英文で伝えたいことは何かを、適確に把握する力なのだ。本書を読み終わる頃には、英文を組み立てる時の視点がすっかり変わり、言いたいことを英語にすることが、とても簡単に思えてくるだろう。
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