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女子×オーディオの鬼門を“スマホ”で打ち破るe☆イヤホンの戦略

加納恵 (編集部)2016年11月04日 08時30分
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 タイムマシンは、10月27日に5店舗目となる「e☆イヤホンEST梅田店」(EST梅田店)をオープンした。売り場面積は640平方メートルで、e☆イヤホンでは最大規模。新品、中古合わせて2万点のアイテムを取り扱う。

 イヤホン、ヘッドホン、ハイレゾプレーヤーなどポータブルオーディオの専門店として知られるe☆イヤホンだが、EST梅田店最大の目玉はスマートフォンを取り扱う「e☆スマホン」の設置だ。なぜ、ポータブルオーディオ専門店がスマートフォンを取り扱うのか、女性向けファッションビルを出店場所に選んだのかなどタイムマシンの戦略を代表取締役の大井裕信氏に聞いた。


タイムマシン代表取締役の大井裕信氏

女性向けファッションビルにイヤホン専門店をオープンする理由

--e☆イヤホンEST梅田店のコンセプトを教えてください。

 e☆イヤホンの原点をもう一度しっかりやろう考えています。イヤホンを変えるだけで音が変わることをシンプルに伝えたくてはじめたのがe☆イヤホンの原点です。

 2007年の創業から9年が経ち、ハイレゾオーディオなどの後押しも受け、多くのお客様に来ていただけるようになりました。が、気づいたら、お客様への最初のアプローチの仕方がすごく上がってしまっているんですね。

 「ハイレゾプレーヤー持ってますか」や「カスタムIEMはいかがですか」というアプローチはミドル、ハイエンドのユーザー向けにはいいですが、「ちょっといい音で聞きたい」と考えているユーザーの方には合いません。

 そう考えたときに「スマホでいい音」であれば、エントリーユーザーの方により近いアプローチができると考えました。スマートフォンは皆さん使っていますし、ハイレゾプレーヤー機能を持ったモデルなどもある。スマホとハイレゾプレーヤーの2台持ちなんて普通は考えないんですよ。スマホだけでいい音を再現できれば、満足感は非常に高いと思います。ほんの少し今の環境を変えるだけで、いい音が味わえる。そうした創業当初の思いを、今度はスマートフォンを使って実現しようと思っています。

--あまりオーディオに詳しくない方にも入りやすい店舗を目指したということですか。

 そうです。梅田EST自体は、女性向けのファッションブランドが数多くそろったショッピングモールで、お客様はほぼ女性。そこに出店するために、私たちも販売スタッフの構成をほかの店舗とは変えています。

 今までの店舗は男性対女性の比率が大体6対4なのですが、EST梅田店では、4対6へと女性比率を高めました。元々若いスタッフが多いですから、お客様と同じ目線で、店づくりをして、アドバイスができることも強みだと思っています。


「e☆イヤホン EST梅田店」の店内

第一歩は“オーディオ”ではなくて“スマホ”がいい

--女性にオーディオを販売するのはハードルが高そうですが。

 「オーディオ女子」と考えるとハードルが高いし、難しいですが、それはちょっと置いて、「スマホでいい音を聴こう」というアプローチだともっと楽だと思うんですよ。

 通勤、通学中に音楽を聴いたり、音楽フェスに参加したりと音楽に触れる時間は意外と多い。その時間を今より少しいい音で聴けたら、すごくいいよね、というのが私たちのアプローチです。オーディオじゃなくてスマホの使い勝手を少しよくする。オーディオじゃなくてスマホとしてアピールしていくことが大事かなと。

 ここで100人のお客様にいい音を体験していただいたら、そのうち5~10人くらいは音に興味をもってもらえるはずです。そこから初めてハイレゾプレーヤーやカスタムIEMなど、オーディオ女子へ踏み出してもらえるのではないでしょうか。

 そのためにも第一歩は“オーディオ”ではなくて“スマホ”がいい。スマホはみんなが知っているし、持っています。ある意味種まきなんだと思いますが、このアプローチをここでしっかりやっていきます。

--他店舗への展開は。

 まずはEST梅田店でいろいろな実験をして、2017年には秋葉原店や名古屋大須店といったほかの店舗に展開していきたいです。e☆スマホンは、e☆イヤホンにはないニーズがある店舗だと思っていて、将来的にはe☆スマホン単独での出店も考えています。e☆イヤホンは東京、大阪など、都心にオープンしやすい店舗だと思いますが、e☆スマホンは地方都市など、規模の小さい街などでもニーズがあると見ていて、そこまで育てたいですね。


「e☆スマホン」コーナー。スマホ内には、同じ曲のWAV、AAC、FLACファイルが取り込まれており、聴き比べができる

--2015年からかなりハイペースで出店していますね。大阪は2店舗目になりますが。

 私たち自身では、早いペースだとは思っていなくて、計画に基づいて出店しています。元々店をたくさん出したかったんですよね(笑)。ただ、CCCグループと提携したことで、TSUTAYAの店舗開発担当者から物件を紹介してもらうことなどもあり、そういった連携がうまく出店につながっています。

 大阪には、大阪日本橋店もありますが、あちらは日本橋、難波など南大阪、EST梅田店は大阪梅田に加えて、京都、神戸といった北大阪を担当しているイメージですみ分けをしています。

 

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