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ネット依存になる子ならない子は何が違う?--保護者ができることは - (page 2)

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 SNS依存について調べていたときに、ある教員にこんな話を聞いたことがある。「成績が良い子は、友だちに『これから試験勉強するからLINE抜けるね』と言える子が多い。残念ながら逆もそう」。成績が良い子は、良い成績を取ること、志望校に入ることが今やるべきことと分かっているから、LINEにはまらないのだろう。部活動に熱心で結果を出している子も、やはりLINEにははまっていなかった。つまり、やるべきことややりたいことがはっきりしていれば、SNSやゲームにははまらないのだ。

 ネット依存の治療には、認知療法が有効という話を聞いた。スマホやネットを始める前に好きだったこと、やりたかったことを思い出させ、スマホやネットをすることで得られたものと失ったものを考えさせるというのだ。改めて自分のスマホ・ネット利用について考え直すことで、自分が客観視できるようになるという。そこで疑問を感じることができれば、後は徐々にネットに触れる時間を減らしていくことでネット依存状態から抜け出せるというわけだ。

大切なのはセルフコントロール力

 心理学者ウォルター・ミシェルが行った「マシュマロ実験」をご存知だろうか。4歳の子どもの前にマシュマロの載ったお皿を起き、「15分間食べてはいけない。食べなかったらもう1つあげよう。食べてしまったらもう1つはもらえない」と言って部屋を出て行く。ある子どもはすぐに食べてしまい、また別の子は15分間我慢してもう1つマシュマロをもらえた。自制心を調べる実験だ。

 後に、この実験結果と子どもの社会的成功度には相関関係があることがわかった。マシュマロをすぐに食べてしまった子よりも、15分間我慢できた子の方が周囲から優秀と評価されることが多く、大学進学適正試験(SAT)において平均210ポイントも高い点数を取っていることがわかったのだ。目先の欲求ではなく目的のために自制心を持って振る舞えることの大切さがわかるだろう。

 今の10代が、一生SNSやゲームをやらないで生きることは難しい。少なくとも、保護者が一方的に禁止や制限をしても、こっそり隠れてやる可能性が高いだろう。禁止や制限には限界があるので、最終的には子ども自身がセルフコントロールできるよう教育する必要がある。

 小さな子どもの場合は、まだセルフコントロールは難しいので、広くて面白い世界を見せてあげよう。もっと夢中になれること、自分が発揮できる場を見つける手助けをしてあげよう。ネット依存を治す際、患者をネットから隔絶された状況に置くことがある。そのように、強制的にネット以外の環境に身を置くのも1つの方法だ。

 ある程度成長してやりたいことややるべきことが自覚できるようになったら、徐々にスマホやネットを解禁していこう。いきなりセルフコントロールすることは難しいので、最初のうちは保護者の手助けも必要だ。各キャリアが用意している時間制限機能なども使い、時間を決めて利用させるところから始めてもいいだろう。最終的には子どもが自分だけでセルフコントロールして利用できるよう、じっくりと見守ってあげてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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