アプリと店頭、TSUTAYAが2段構えで仕掛けるリアル店舗への送客

 書籍や雑誌、DVD、CDは、ネットショップの伸長により、リアル店舗の売り上げが大きく打撃を受けた商品の1つだ。ネットショップを手掛ける一方、1478店のリアル店舗を運営するTSUTAYAは、ネットから店舗へ送客する施策として在庫や店舗検索機能を装備する「TSUTAYAアプリ」に新機能を導入。来店時のユーザー満足度を上げる「リクエストお取り寄せサービス」も開始した。

左からTSUTAYAアプリ企画ユニットユニット長の小野寺直樹氏とアプリ企画ユニットチームリーダーの近藤あやの氏
左からTSUTAYAアプリ企画ユニットユニット長の小野寺直樹氏とアプリ企画ユニットチームリーダーの近藤あやの氏

 TSUTAYAアプリ企画ユニットユニット長の小野寺直樹氏は「ネットとリアルを組み合わせてオムニチャンネルを成功させるにはどうすればいいのか、デジタルからリアル店舗へどう送客するのかがミッション」とTSUTAYAアプリの位置付けを話す。来店したユーザーの満足度を向上するリクエストお取り寄せサービスとあわせ、アプリ、店頭の両面からリアル店舗への来店を促す。

 元々TSUTAYAでは、店頭にない商品の取り寄せサービスを実施していたが、スタッフに口頭でリクエストし、それを紙に記録し、電話で在庫を確認。後日、在庫の有無を電話でユーザーに伝える方法をとっていた。今回、新型検索機を設置することで、それらの手順をすべて省略。ユーザーが直接検索機にリクエストすることで、取り寄せの注文ができるようになった。

 新型検索機の設置は、レンタル、販売、書籍の有無など、商品構成が異なるTSUTAYA店舗間の差をなくすことにも一役買っている。「TSUTAYAの店舗は商品構成がさまざま。検索機による取り寄せができることにより、アイテム未導入の店舗をなくすことができる」と小野寺氏は顧客接点の広がりを説明する。

 導入して2週間程度だが、映像、音楽ソフト合計で、リクエスト数は従来の2倍に増加。潜在需要の多さを裏付ける結果となった。従来の「口頭によるお取り寄せリクエストは、思っていた以上にハードルが高かった。わざわざ聞くのであれば、別の店舗で商品を探そうという、TSUTAYAにとっての機会損失につながっていた」と小野寺氏は分析する。

 検索機からリクエストした商品は、セル商品であれば受け取り場所を自宅、店頭から選択できるが、現時点では97%のユーザーが店頭受け取りを希望しているという。「煩雑なやりとりは必要ないが、店舗で受け取りたいというコミュニケーションは求められている。駅から近い都心の店舗だけでなく、ロードサイド店などでも同じ現象があり、リアル店舗にまた行きたいと感じているユーザーの方は多い」(小野寺氏)と話す。

ネットとリアル店舗をつなぐアプリが果たす役割

 一方で、アプリは店舗への送客を促す役割を担う。TSUTAYAアプリのダウンロード数は現在720万。Tカード会員6000万人の約12%が使用している計算だ。

 利用頻度が高いのはクーポン、在庫検索、店舗検索の3つ。中でもクーポンはダウンロード数を伸ばす人気アイテムだ。しかし2014年頃に「クーポンによる伸びが緩やかになってきた」(小野寺氏)とのこと。そこで、より利便性を追求するアプリへとバージョンアップを図った。人気のクーポンは、単なるテキストではなく画像を使用し、お得感がわかりやすいデザインに変更。利用頻度を増やすために、無料漫画の試し読みサービスも実施している。

 これらの施策に加え、新たに追加したのがモバイルTカードだ。レンタル時や商品購入時にスマホを専用端末にかざす、もしくはバーコードを提示することで、Tカードと同じ機能を実現。Tマネーや、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーをチャージしておけば、決済にも対応する。「スマホは常に身につけているため、会員証を忘れてきたということが起こりにくい。カードと違って財布の中から取り出しにくいといったこともない。スマホだけで完結する世界を提案したかった」と小野寺氏は話す。

 あわせて「オススメ作品プッシュ通知」の提供も開始。プッシュ通知はクーポン配布でも利用しているが「より価値ある情報を提供できるようにしたかった」(小野寺氏)との思いから、購買履歴、レンタル履歴を活用し、ユーザーごとのおすすめ作品をプッシュ通知で知らせる。

 TSUTAYAアプリ企画チームチームリーダーの近藤あやの氏は「Tカードは10代のユーザーにも利用されており、初めて持つカードがTカードという人は多い。そういう思い入れのあるカードで、今度はスマホで完結するサービスを体験してほしい。TSUTAYAアプリで、さらにモバイルTカードで新しい文化を作っていきたい」とカードの新しい形に期待を寄せる。

 TSUTAYAでは2017年3月末までにTSUTAYAアプリのダウンロード数1000万を目指す計画だ。

  • 「TSUTAYAアプリ」トップページ

  • アプリ利用者人気No.1はクーポン機能

  • 「モバイルTカード」機能が追加された

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