ひかりTV、BS5チャンネル提供など下期計画を発表--「3つの筋」見据え新展開へ

 NTTぷららは10月13日、映像配信サービス「ひかりTV」に関する下期の事業説明会を開催した。BS民放5チャンネルのIP再放送を開始するほか、4K HDRコンテンツの取り組みなど、新たなサービスについて話した。

 NTTぷららは1996年10月にスタートし、2016年でサービス開始から20年を迎えた。インターネットサービスプロバイダ事業を展開してきたほか、映像配信事業ひかりTVを推進。電子書籍、ゲーム、オンラインショッピングなど数多くのサービスを提供している。

 2016年度下期の主な取り組みとして挙げたのは

  • BS民放5チャンネル提供開始
  • 4K自主放送チャンネルリニューアル
  • HDR対応4K-IP放送サービス提供開始
  • 新たなサービス提供開始(趣味学習サービス、映像コミュニケーションサービス)
  • スマホ向けオリジナルゲームアプリ提供開始

の5つ。12月1日にBS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSジャパン、BSフジの5つのBS放送を、テレビ向けプランの月額料金内で提供を開始。これによりひかりTVで提供できるBSデジタル放送は計10チャンネルになる。

 力を入れている4Kは、2014年10月に4K VOD配信、2015年3月に4K IP放送の提供を開始。当初124本だったコンテンツも9月末には1000本を超え、2017年3月末までには1200本に拡大する計画だ。

 10月からは、BSジャパン、BS11などのBS局と新たに連携し、4Kコンテンツの制作を開始。従来の民放キー局、地方局、芸能プロダクション、映画会社に加え、より強力な4K制作体制を敷く。

 HDR化についても積極的に推進する。2015年11月に「HDR10」方式、8月に「ドルビービジョン」方式をサポートしているが、10月24日にはNHKとBBCが共同で開発した放送用HDR技術「Hybrid Log Gamma(HLG)」方式を採用。「ひかりTVチャンネル 4K」(Ch104)内で、月額料金内で視聴ができる。


HDR対応4K-IP放送サービスの提供を開始

 2015年11月にスタートした4K自主放送チャンネルは、エンタメ報道&ライフスタイルニュース専門チャンネルの「モデルプレスTV by ひかりTV 4K」(CH105)をリニューアル。新たに吉本興業と提携し、「Kawaii for ひかりTV 4K」として新スタートを切る。引き続き「モデルプレスナイト」などモデルプレスと連携した番組を提供するほか、吉本興業の所属タレントなどが出演。アイドル、モデルなどの生放送やライブを中心に放送する。

 12月中旬には、新サ―ビスとして趣味学習サービス「Shummy(シュミー)」をスタート。動画講座(オンライン)とイベント(オフライン)とオンラインショッピングを組み合わせた趣味学習プラットフォームで、米国ではすでに約500万人が利用しているという。

 当初はル・コルドン・ブルージャパンのフランス料理、ブティック社の手芸、ハーバルライフデザイナーの諏訪晴美氏による家庭菜園、ニコンイメージングジャパンによるカメラなど、15の講座を用意。サイト内から会員登録をして、受講したい講座を選ぶと利用できる仕組み。オンライン動画講座は3000円程度を予定する。


趣味学習サービス「Shummy」の概要

 このほか4K動画のテレビへの共有やテレビ、スマホ間でのビデオ通話などができる「ひかりTVの映像コミュニケーションサービス(仮称)」も発表。2016年度中の提供開始を目指す。

 ゲームビジネスでは、オリジナルゲームアプリ「ルナたん」を10月27日から提供する。穴掘りアクションパズルゲームで、スマートフォン向けアプリとテレビ版「ひかりTVゲーム」(11月中提供開始)も用意。連携させることでより有利にゲームを進められる。ゲームは無料で、アイテム課金がある。テレビ版は「ひかりTVゲームあそび放題パック」(月額税込:540円)内でプレイが可能だ。

 ルナたんは、アニメ、グッズ、書籍などの展開も考えており、2017年4月からオリジナルアニメとしても登場する予定。ゲームにとどまらない事業拡大を図る。


代表取締役社長である板東浩二氏

 映像配信サービスを中心としながら、ショッピング、ゲーム、電子書籍とサービスの多様化、放送サービスのマルチデバイス化、4K映像配信などによるサービス、コンテンツの高度化と、NTTぷららは積極的な投資を続ける。代表取締役社長である板東浩二氏は「映像配信サービスのユーザーもずいぶん増えたが、これからは従来のように伸びるわけではない。そうした先を見据えるとゲームなど新サービスに投資して、サービスの多様化をしていく時期にきている。

 4K HDR化については、すぐに利益に結びつくものではないが、事業には3つの筋が必要だと感じていて、1つはもうけ筋、そしてどんどん伸びて黒字化して利益を生むような売れ筋、最後が見せ筋。ここは会社としての可能性を感じてもらい、技術力や開発力を見せられる部分。4K HDRはこの見せ筋に近い。今後のマーケットを作っていかなければいけない」と事業の位置づけを話した。

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