スカパーJSATは、スマートフォンやPCなどから視聴ができるオンデマンドサービスを10月1日にリニューアルする。提供チャンネル数を38から50へと増加するほか、リアルタイムとVODを組み合わせた視聴や、番組表表示などのユーザーインターフェースを提供する。リニューアルに伴い、9月28日に新アプリの体験会を実施。現況と今後のスケジュールなどについて話した。
スカパー!では、テレビ放送に加えて「スカパー!オンデマンド」サービスを2011年に開始。2016年8月末時点で103万7000人が利用している。57%が放送契約をせず、オンデマンド契約のみのユーザーだという。
過去5年間に渡り、スカパー!では、個別のチャンネルごとにアプリを用意した形でオンデマンドサービスを実施。合計のダウンロード数は約111万を数える。リニューアルでは、個別のチャンネルに一括でアクセスできる「スカパー!オンデマンド」アプリを用意。時間軸に沿ってコンテンツを配信する放送チャンネル同様の「リニア」方式でサービスを提供する。
「2011年以降、スカパー!オンデマンドサービスについては試行錯誤を重ねてきた。今回のリニューアルではリニア=チャンネルの形でやっていこうと決めた。私たちは20年に渡って放送のサービスを提供しており、これが視聴者のライフスタイルに合っているという経験則がある。リニアサービスの本命としてスカパー!オンデマンドを展開していく」とスカパーJSAT取締役執行役員専務有料他チャンネル事業部門長兼放送事業本部長の小牧次郎氏はコンセプトを話す。
特徴は放送サービスをベースにした使い勝手だ。VODサービスで重視されるおすすめコンテンツ「レコメンド」を、チャンネル契約に基づいた「パーソナライズ」としてオンデマンドに取り込む。スカパー!放送契約者がオンデマンドにログインすれば、契約しているチャンネルとVODでの視聴履歴に沿った視聴コンテンツが並ぶ。
「レコメンドは、視聴済みのコンテンツを元に見たい“かも”しれないコンテンツをおすすめするもの。私たちが提供するパーソナライズは“見たい”と契約した番組の中のコンテンツをおすすめするため、より精度は高くなる。スカパー!が放送チャンネルとして20年間やってきた経験をVODにも落とし込む」とスカパーJSAT有料多チャンネル事業部門カスタマー事業本部IP事業部長の国武慎也氏は自信を見せる。
リニアのこだわりはコンテンツ表示にも及ぶ。新規、人気コンテンツなどの順に表示されることが多いコンテンツだが、スカパー!では、番組表表示を採用。さらに、現在時刻を中心に上が過去番組、下が未来番組と表示することで、過去と未来を行き来してコンテンツを探せる。
過去、未来番組表で再生マークがついているものは、タップするだけで視聴が可能。リアルタイム視聴とVOD視聴を融合して使える。
ログイン後は、前回ログイン時に最後に視聴していたチャンネルの番組を表示する「すぐに動画視聴」や、契約内容に合わせて視聴可能番組の画像を表示する「My パレット」など、コンテンツにたどり着きやすい仕組みも用意する。
「スカパー!オンデマンドは、開始からすでに5年が経過するが、いまだに放送のみと思っている人は多い。今回のリニューアルに合わせチャンネル数を増加したが、さらに増やしすべてのチャンネルに対応する形を作り、認知度アップを図っていきたい」(小牧氏)とした。
スカパー!では、「スカパー!オンデマンド体験ビル」を東京都港区の「ZeroBase表参道」に設置。10月10日までの間、タブレットなどを置き、実際に使える環境を提供する。
視聴デバイスは、スマートフォン、タブレット、PC。配信は1ストリームのみ。コンテンツのダウンロード機能は備えておらず、オンラインでの視聴が必須になる。今後は「テレビに向けての対策も進めている」とした。
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