配車サービス「Uber」を展開するUberは9月28日、フードデリバリーサービス「UberEATS(ウーバー イーツ)」の提供を、9月29日11時に開始することを発表した。東京都の一部エリア(渋谷、恵比寿、青山、赤坂、六本木、麻布)から開始し、150以上のレストランの料理を、店頭と同じ価格で注文できるという。当初は配送料を無料にする。
UberEATSはこれまで、サンフランシスコやパリ、ロンドンなど世界7カ国33都市で提供されている。有名店ではUberEATSを通じて1日の注文数が2倍になったほか、複数のレストランが売り上げを20%以上増加させたとのこと。東京は8カ国34都市目の展開都市になる。
東京で利用できるレストランは、おまかせコースが人気のイタリアン「ダルマット」や、ヘルシーな精進料理の「宗胡」、焼肉レストラン「焼肉トラジ」、ドーナツ専門店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」など。数百円の肉じゃがから、2万円のステーキまで、多種多様な料理を注文できる。
ユーザーは、スマートフォンアプリ(iOS/Android)で届け先を指定し、提携レストランが提供する料理を選んで注文することで、自宅やパーティ会場などで受け取れる。配達状況や到着予定時刻などもアプリから確認可能。
注文が入ると、提携レストランのタブレットにその内容が表示され、レストランは店内の混雑時間などから調理完了までの時間を入力する。すると、料理が完成するタイミングで店舗に到着できるパートナー配達員(自転車、原付バイク)にリクエストが届くという仕組みだ。
Uberと同様に事前に登録したクレジットカードで自動的に支払いが終わるため、現金のやりとりも発生しないという。ユーザーは料理を受け取った後、レストランや配達員の評価をする。もしトラブルが発生した場合には、UberEATSのカスタマーサポートが電話やメールで対応するという。
Uber Japan執行役員社長の髙橋正巳氏は、麺類だけでもラーメン、パスタ、うどんなどバラエティ豊かな日本のレストランは、UberEATSと相性がいいと見ている。数多くの有名店の温かい料理を注文から数十分で受け取れる利便性は、出前にはないUberEATSならではの価値だとアピールした。世界での注文から配達までの平均時間は34分だが、髙橋氏がテストユーザーとしてアサイーボウルを注文した際には、わずか8分で手元に届いたという。
身分証明書の確認や審査、トレーニングを受ければ、従業員にならなくてもUberEATSの配達員になることができる。配達員希望者は説明会に参加し、貸与された専用の保温・保冷バッグを使い、自転車または原付バイクで配達する。自分のスケジュールに合わせてデリバリーできるため、空き時間を有効に使って収入を得られるとしている。
同社によると、ローンチ時は1000人の配達員を確保しているそうだ。20~40代が中心で、男女比は男性85%、女性15%ほど。今後は、どの時間帯に多くのオーダーが入るのかなど、需給のバランスを取っていくとしている。なお、収益分配のパーセンテージなどは非公表とした。
また、レストラン側は初期投資なしでデリバリーサービスを始められるため、固定費を変えずに売上の向上を期待できるとしている。さらに、レストラン名やメニューが世界中にいるUberEATSユーザーの目にとまるため、マーケティングや訪日外国人などの新規顧客の獲得にもつながるとしている。同社によれば日本の提携レストランの6割が初めてデリバリーを利用するという。
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