「Nibbler」は、指定したウェブサイトについて、さまざまな観点からチェックをしてくれるサービスだ。サイトの作りが構造的に正しいか、ユーザビリティやアクセシビリティは問題ないかといった、人および検索エンジンから見た場合に使いやすいサイトであるかを、ワンクリックでチェックできることが特徴だ。
使い方は簡単で、調査したいサイトのURLを入力して「Test」をクリックするだけ。およそ1分ほどかけて調査が行われ、結果レポートが表示される。時間が多少かかる理由は、調査項目が多岐に渡っていることに加えて、指定のURLからリンクしている任意の5ページを調査対象としているためだ。ちなみにこの5ページは毎回任意に選定されるので、リロードするたびにわずかながらスコアが上下する。
表示されるレポートは、総合スコアのほか、アクセシビリティ、ユーザビリティ、マーケティング、テクノロジーという5つのカテゴリで、その下にさらに各10個ほどの項目が用意されている。例えばアクセシビリティについては、個別の項目として「Code quality(コードの品質)」「URL format(URLの形式)」「Headings(見出し)」「Page titles(ページタイトル)」「Internal links(内部リンク)」「Mobile(モバイル対応)」の6つが用意されている。
このカテゴリおよび個別の項目にはそれぞれ10点満点でスコアが表示された上で、スコアが低い項目、つまり改善の必要性が高い項目ほど上位に表示されるようになっている。スコアは色分けされており、例えばもっとも低い3点未満のスコアは警告色である赤色で表示されるので、レポートをざっと眺めた際に目に留まりやすい。
また、それぞれの項目をクリックすると、具体的な分析結果が表示される。問題がある場合は解決策も提示してくれるので、それらを参考にしながらサイトを改善していけば、よりよいサイトへとブラッシュアップできる。これらの詳細な分析はクリックすることで初めて展開されるため、レポートとしてはすっきり見やすい。延々と長いレポートを読まされているというストレスとは無縁だ。
サイトをチェックするツールとしては、Googleが提供しているPageSpeed Insightsや、スマホサイトであればモバイルフレンドリーテスト、またそれ以外にもSEOの強化を目的にしたさまざまなチェックツールが存在するが、本サービスは人とロボット両方のアクセスを対象に、幅広いカテゴリを網羅していることが特徴だ。特定のサービスに依存した結果、サイトの作りが偏ってしまうのを防ぐためにも、本サービスをクロスチェックのために活用するのは賢い方法だろう。
といったわけで機能については文句のつけようがないのだが、いかんせんレポートはすべて英語であるため、内容の正確な把握には英語の読解力が欠かせない。ただ幸いにして本サービスは、Chromeの「日本語に翻訳」機能などブラウザの翻訳機能を使った場合でも、再読み込みで内容が失われることなく、レポートを日本語で表示できる。それゆえ英語があまり得意でないユーザは、こうした翻訳機能が備わったブラウザの手を借りて、本サービスを利用するとよいだろう。
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